撮影も終わり、姫と王子に花束が渡される。

王子が見せた笑顔は女性スタッフをハートな目にさせた。


「王子最高!姫のおかげだよ。」


セイは撮影した病室から出てくる姫に声をかけた。

その表情は姫へ向けられた笑顔ではなく悲しんでいた。


セイ先輩「おつかれ・・姫。」


姫君「あ、セイ君。帰ったとばかり・・。」


困った先輩「・・・キスシーンあったんだな。」


セイの言葉にキルは吃驚した目でこう、

真っ赤になりながら、わたわたし慌てるように言った。


照れる姫君「あ、あれは仕事だよ!」


困った先輩「・・・。仕事でも断ればしなくていいんじゃ?」


姫だし・・・

王子の姫かも知れないけど・・・

王子が居たから有名になったかも知れないけど・・・

姫だから、断れば・・・しなくていいんじゃないか?


驚く姫君「そ、そうなの?!」


姫はまた吃驚した目でそう言った。


困った先輩「隠すとかいろいろあるじゃん?」


セイの言葉にキルは崩れ落ちた。

そうである、あの時あのキスはキルにとっての初キス。


泣き虫姫君「ブルーガ君にだまされたー!」


セイ先輩「姫・・。」


王子は衣装から着替えようと別部屋に向かうところを

キルに呼び止められた。


怒った姫君「ブルーガ君!僕の初キス返せ!」


王子様「は?」


困る姫君「だってしなくてもいいんでしょ!!」


だ・か・ら

俺はキスシーンに何も言ってないって何度言えば・・

キルは俺に怒鳴りながらそう言った。


困った王子様「演出の人に言え!監督とか・・・っ!」


たしかにそうだが・・・

セイがそう思ってると、キルは困った顔で言った。


困る姫君「一昨年のは?ブルーガ君が変えたって・・。」


!!

それは・・そのっ!


真面目な王子様「お前が・・っ!恋を仕事にもってくるから!」


ぽけーとしてるから。

その時点で分かってたよ・・・

お前が俺を見ていないことぐらい先輩を見てたぐらい・・・

だから変えてやったんだ・・・

演出は俺が指示してる。キスシーンはマジでするってね。

でもな、キル


呆れる王子様「返せとか!!俺も初キスだったんだけど」


俺は・・・先輩よりも先に奪いたかったんだ

キルの唇を・・・そんなの言えるわけないけどーー・・


笑顔の先輩「恋って・・姫?」


恋する姫君「あはっ!」


セイの言葉にキルは笑ってごまかした。

その笑顔にセイはすぐに直感した。

セイも照れながら答えた。


笑顔の先輩「いいけど・・・さ。」


ムードたっぷりの2人に割り込む隙はないけど

ケイはそんなのぶち壊すように入ってきた。


王子様「つーか、お前さ。何、アドリブ入れてんだよ?」


照れる姫君「!!」


セイ先輩「アドリブ?」


呆れる王子様「1発OKだからいいけど・・さ。」


困った先輩「アドリブって台本にないセリフだよな、姫?」


姫君「だって・・ブルーが君が笑ったら・・・。きっと・・・」


・・・キル、やっぱりそうだったんだな。

俺が笑ったから・・・笑顔になったから・・・

家でも学校でも笑わない俺に感激したんだ・・・。