笑顔になる薬。

俺が今の自分と重ね合わせた物語・・・。

キルのことを思うと辛くて堪らなくて忘れたい

そんな気持ちから出来た物語。

俺が演じるのは恋人のソラを演じるキルの事だけ

忘れてしまったリク・・・。


姫君「リク・・。」


王子様「・・・また、お前たち来たのか。」


セイ先輩「またって!こっちはリクの記憶治そうと

せいいっぱいなのに!」


「そーだ、そーだ!」


クラスのみんながリクの病室まで見舞いに来たものの

彼は無表情のままそう答える。


王子様「その記憶が忘れたいものだから忘れたんだろ?

戻ってもくるしむだけだ・・・。」


自分で書いた脚本ーー・・

だからリクの気持ちがよく分かる。

キルは分かってないだろう、そんな俺の気持ちを。

ソラはリクのそんな言葉に病室から出てってしまう。


セイ先輩「ソラ!?」


姫君「忘れたいって・・・。」


困った先輩「ソラ・・・。」


2人の友達を演じるセイはソラの後を追いかける。

セイは彼女を励ましてあげた。


泣き虫姫君「何それ。恋人の僕だけ忘れるなんて・・・・」


ソラは辛そうな表情でそう答えた。

それから数日後。今日はラストシーンである。


「はい、次ラスト~姫と王子以外出てって~。」


スタッフがそう言うと、姫と王子以外は病室から

そそくさに出てった。

セイはもう出番がないが、こう言ってカメラの前にたつ


セイ先輩「あ、あの俺も見ていいですか?」


「いいけど・・・止めといた方がいいと思うよ?」


スタッフの言葉にセイは疑問に思ったが

そのまま、カメラの前で立ち往生した。


シズ「ケイちゃん、一発OKでね?」


困った王子様「・・・・・キルによるだろ。」


笑顔・・そんなの分かってるさ。

笑顔になるのはキルが居るから、キルがいたから・・・

唯一リクの記憶を治すのは笑顔を取り戻す唯一の薬は


「ラストシーン行くよ。」


空が赤く染まる夕方の病室。

ソラは1人で彼の元にお見舞いに来ていた。


王子様「また。来たーー・・」


彼が最後まで言う前にソラが指で唇を押さえた。


姫君「ねぇ、僕たち恋人同士なんだよ?

思い出してよ、リク。」


王子様「俺は・・・。」


照れる姫君「リク・・・。」


本当は他の人とする筈だった王子を覚ます姫の薬。

ソラがそう言うと、彼へ顔を近づけ唇を合わせる。

カメラに見えるようにキルは唇を合わせた所を見せたのだ。

ーーー・・俺はキスシーンには何も指示していない。

ましてや、カメラに見えるようにとか、隠すとかも・・・・。


照れる姫君「す、好き・・・。」


彼女はゆっくりと唇を離し、そう言った。

俺はキルの行動にとびっきりの笑顔でこう言った


笑顔の王子様「俺もだよ、ソラ。」


驚く姫君「リ、リク・・・!!」


彼女はそう言って俺に抱きついてきた。

ーーーー・・って!

俺の笑顔でENDのはずなのに、これって・・アドリブだよな??


びっくり王子様「え・・?ちょっ、お前!!?」


嬉しい姫君「だって・・嬉しいんだもん。」


キルは俺がそう言うと、キルは離れ笑顔でそう答えた。

嬉しいか・・・俺が笑顔で言ったからか?

お前、馬鹿だなー・・約束、したろ?