翌日、キルは撮影のため海に来ていた。
バシャバシャと波打ち際で遊んでいる。
そんな姿を社長、つまりケイの母は見ていた。
キルちゃんはどーでもいいのかしら?
王子がいろうがいなかろうが・・・?
「姫ちゃーん!エキストラのみなさんに挨拶ー。」
「ふぁーい!」
姫は元気よく挨拶し、エキストラのみんなが集まってる場所へ
行くと、みんな本物の姫をみて騒ぐものの
姫は1人の男に気づいてしまった。じっと見つめる姫に
その男は下を向いて気づかないフリをしていた。
じっと見つめる姫に1人のスタッフが声をかけた。
「どうしたの、姫ちゃん?」
「えっと・・・・部活の先輩がーー・・。」
姫のその言葉に見つめる先に居る男はビクリと驚いた。
驚いたのはセイ。昨日行けないと思ったのにココにいるのだ。
「先輩っ」
「よ、よう。」
笑顔でセイのもとへかけよる姿にセイもおもわず
ぎこちないが笑って答えた。
返事をしたセイにスタッフはこう言った。
「目が高いな、姫ちゃんは
その子は期待の新人なんだよ。社長の推薦だからね?」
社長?
ここにいる社長じゃなくーー・・?
先輩が期待の新人なのは嬉しいけど、その言葉が
みょうにひかかってしまった。
「びっくりだよ、先輩っ。エキストラって僕のとこだったんだ。」
「俺も・・。誰のなんて新人だし当日まで知らないしな。」
2人きりで話す姿に他のエキストラは後ろから付いてくるものの
話しかけることはしなかった。
それはそうである。
「ここにいるやつ、ほとんど姫の大ファンだし王子はいねーじっ
ちょっと、優越感かな?」
はははっと笑いながらセイはそう言った。
先輩のその言葉にキルはじっとセイを見つめ、こう言った
「先輩。」
「うん?」
「逃げよっ!」
へっ?
セイが驚くまもなく、キルは先輩の手をつかみ
逃げ切るようにかけはしった。
そのころのケイは闇勝ビルの自分の部屋から海を眺めていた
「海のほう・・・騒がしいな。」
「もう、夏休みですからね。」
夏休みーー・・か。
キル、どうしてるんだろ?幸せ・・かな?
「・・・。望遠鏡。」
ケイがそう言うと、すぐに望遠鏡を渡された。
ケイはすぐに望遠鏡を使い外の様子を覗く
「なにか、見えますか?」
「うーん?」
ケイはきょろきょろと海の周りを見渡すと
そこには
「あ・・・。」
キルの姿があった。
2人は岩のそばに逃げ隠れしていたのだ。しかし、よく見ると
キルはセイの腕をぎゅうとつかんでいたのである。
「ここまでくれば・・。」
「そ、だが・・ちょっとくっつきすぐじゃねーか?」
セイは近くに居る姫の姿にたえきれない様子だった。
ドキドキ、胸がドキドキ。顔が真っ赤だったのだ。
「見えました?」
そんな2人を見て、俺はなんだか胸がいらついて
しょうがなかった。すぐにこう怒鳴ってしまったのだ。
「何も!!勉強する!!」
セイがいることにムカついていたのだ。
「やだ?」
「いや・・いいけど。」
俺の反応で遊んでるよな
俺がそう言うと、姫はさらにひっついてきた。
「先輩っ僕と写れるんだね。」
「エキストラだけどな。」
姫は離そうとしない腕にドキドキが止まらない。
こんな可愛い、姫。抱きしめてあげたいんだけど
俺はさそわれてばっかで誘うの苦手なんだよな。