クールな君が好き。
遠くでしか見ることが出来なかったキミ・・・
僕は信じる 君と過ごした、この時間
ーーー・・・忘れないこの気持ち。
第7章
「幸せな証」
「・・・南。」
僕からキスしたことに吃驚しているのだろう
彼女は何度もまぶたを閉じたり、開けたりした。
「みんなからは男ぽいって言われるけど・・・
僕にとっては女の子だよ。」
南都がそう言うと、鬼姫は自分の短い髪の毛に
手をのばし、さらっと根元から下までスッとおろした。
彼女がその仕草に何を考えたのかその時は分からなかったけど
今、分かった気がする。
今日、学校に行くと、また鬼姫の周りにみんなが集まっていた。
「・・・。」
鬼姫は僕のなのにって・・言いたいけど
僕はその姿をすきまからしか見ることが出来なかった。
はっきり見えたのは、チャイムが鳴り響き先生が来て
みんなが自分の席に座った瞬間だった。
彼女は鬼姫はいつもと違う彼女だったのだ。
男ぽい彼女はそこになかった。
ただ、ただ、髪型を変えている。それだけなのに
僕はその姿にきゅんとときめいてしまったのだ。
彼女が僕の目線に気づくと、すぐに笑ってくれた。
先生もいつもの鬼姫じゃない姿に
どうした、どうしたー?恋でもしたかー?
と先生はからかうが、鬼姫はすぐに対応した。
「いいじゃないか、俺も女の子なんだよ」
「女の子は俺とは言わないぞ、鬼姫。」
ははははとクラス中が笑う。
みんながからかう姿に鬼姫はむっとなる。
彼女はなにかを求めたのか、僕の方をちらと見つめる。
ーー・・・僕はその瞬間。察したのだ。
この間言った、あの言葉をーー・・・・・・
放課後、南都と鬼姫はいつもの場所で2人きりになっている。
口を閉ざしていた2人だが、鬼姫が重い口をゆっくりと開けた・・・
「・・・お前がさ、南にとっては女の子って言うから・・・」
やっぱり
「南の前では女の子でいたいなって・・・
髪型も、しばったんだけど・・・みんなに笑われちゃったな・・。」
彼女は苦笑いでそう答える。
心のうちでは泣きたい気分なんだろうけど・・・
ううん、鬼姫が泣いたトコなんて見たことがない。
そのぐらいガマン強いんだろうーー・・・
「鬼姫。」
「なんだよ・・・・。」
「可愛いよ。すっごく・・・。」
僕はそう言いながら彼女の頭をなでる。
彼女はなでられたまま無言だった。
しかし、僕はその手を放そうとしなかった。
なぜなら、分かっていたからーー・・・
彼女が泣いてることに。
それから数分後。彼女は、こう言って顔をあげた
「南・・・あんがとよ、その卒業式。予約していいかな?」
「予約?」
「・・・・ボタンだよ。俺、みんなから貰わないことにした。」
え?
「・・・彼氏のだけ、欲しいなって?駄目か、南?」
僕はその言葉にすぐにぶんぶんと首をふった。