景はどたどたと家に帰ってきた
「零、俺をなぐってくれっ!」
「はあ?」
零は本を見ながらそう言った。
しかし、その景の慌てた様子を見る限り
彼は察したようだ。
「いいから!」
「俺に気をつかうなよ景・・。
完全にやじろべいは優しい石にかたむいたんだろ?」
そうかもしれないけど
「お前がやらないなら、自分でやる!」
俺はそう言って零が持っていた本を取り上げた。
「あ。」
しかし・・・その本は・・・
「何コレ・・・」
「良夜にかりた女体シリーズ?
だって、最近姫遊びにこねーもん。」
たしかに俺が図書室で姫と出会うまで
遊びに来なかったし、話もかけてこなかった
「高校生になったんだから
女体に興味持ってもいい年じゃん?」
その言葉に俺はもっていた本を落としてしまった
「そろそろ童貞卒業したいなーんて
思ったり、思ってなかったり・・・?」
「零、やっぱり俺をなぐってくれ!」
「だから、なんでだよ?」
「だってよ・・・。ぜってー夢だよ。
姫が俺にキスなんて・・。零はそれでいいのかよ。」
「おい・・だから俺に気をつかうなって。
大体、俺だとアイツを悲しませるだけ。」
「そんなこと・・・。」
「アイツに好きなんだろって問い詰めたら
すぐに追いかけて行ったから・・・夢じゃないぞ。
だから、なぐらねーよ。」
零・・・
「俺らはアイツの幸せ願う双子だろ?それでいいじゃん。
それと、今日うちに紀羅泊めるから。
お前、姫のとことまれよ?」
「な・・っなんで・・っ。
紀羅が姫のとこ泊まればいいだろ!
お隣なんだから!」
俺はそう怒鳴りながら言った。
すると、零は景が落とした本を拾いこう言った
「なんていうかその・・。
お前は姫しかいないんだよ・・。
俺は女いっぱいいるから安心しろ。」
「そういうことじゃなくて・・・。」
そう言いながら俺は零を見る。
目に映ったのは彼がもっている本の表紙だった。
もしかして・・・零・・・紀羅と・・・?
「わかったよ・・・。姫のとこいくから・・・。」
お隣だからこそ泊めることも出来なかった
昔の話・・・・・