第12話
 最大の嘘

家に帰ってきた2人。扇風機にあたり涼しそうだが
景のお腹がギュルとなり、トイレへ


「だから、バカと言ったんだ。」


「うっせー!」


トイレの向こうから零に向かって大声を出す景


「せっかくの夏休み3人で海行こうとか言ってたのによ。」


台無しだな・・まったく・・・


「2人で行けばいいだろ・・なんで俺まで・・。」


1回出てきたものの、景はまたトイレへ駆け込む
零はいきなり言い出した。

「ここに一つのやじろべいがある・・・
片方はケンカ石。片方は優しい石ーーー・・・
今はどちらに傾いてると思う?」

「なんだ、それ。」


景のお腹がなりやみ、トイレから出てくる彼


「ケンカする石も優しい石も中央にあるやじろべいに行きたがる。
昔はケンカ石に傾いていたかも知れない・・。」


・・・?


「意味不明なんだけど・・・?」


「俺はもう、知ってるんだから、な!」


そう零は言いながら2階に上がっていく2人


「なにがだよ。」


「そんなに隠したいのか、お前は・・・。」


「だから、何をだ。」


景は部屋にあがり、自分の椅子に座る


「俺はもう、いいんだ・・・この賭け事は負けなんだから。」


もう・・いいんだ。これからはお前が幸せになるべきなんだ・・

「わかんねーのかよ!」

もう・・このケンカ石はもう中央に行こうとしないんだ。
いきなり怒鳴る零に景はびっくりした。


「石が双子だとしたら?やじろべいが姫だとしたら?
ケンカ石には他に行きたいやじろべいが居たら?」


ケンカ石は、零で優しい石は俺・・か?


「知らず、知らずやじろべいが優しい石に傾いてたとしたら?」


え・・俺に傾いてるだって・・?


「なに言ってんのさ、姫と零はーーー」


いいかけてた景に零は割り込んだ。

「言っとくが、中学卒業の時に姫と別れたんだ・・。」

「なっ!」


別れただって・・・?


「姫に聞けば分かる・・・。」


俺は君の幸せを願う優しい石ころ・・・・
景は立ち上がり、ベランダから姫の部屋に行こうとする


「お前またベランダから!」


姫・・第一お前はまだ零のこと好きなんだろ?
たとえ傾いてようが2度とこっちに来ない様に嘘をついてやる・・・っ
景は零の部屋に来ていた。はっきり諦めるためだ


「零から聞いた!どうして別れる?好きじゃないのかよ!!」


姫はベットに座り、下を向き、彼の目を見てなかった。


「賭け・・。私からキスするか。」


!! 景はその言葉にドキと赤くなった


「す、すればいいだろ!好きなら・・・っ!」


「・・・ない。出来ないのっ!」


彼女は顔をあげ、そう言った。


「零君が好きなのに、景君ばっか考えちゃうんだもん!。」


景君の昔からの優しさ、今の悲しい顔ばっか浮かんで・・
零君の事浮かばないんだもんっ


「な、なんだよ、それ・・・言っとくけど俺は、お前の事・・」


これが最後の嘘・・かも知れない。

「昔から大嫌いだからな!」

本当は大好きーーー・・・・・・・・・
その言葉にショックを受ける姫・・・・・
でも、そのショックで分かった。自分の気持ち


「だから、俺の事考えるな!零のこと考えろ!
言いたい事はそれだけだっ!じゃあな!!!」


俺はもう、完全に忘れるって決めたんだ・・・・っ
そして景はまたベランダから帰ろうとする


「まっ・・待って・・。待ってよ、景君・・・。」


止めようにも足が動かない・・・
大嫌いの言葉がショックすぎて、
私の足は動きたくても動かない。私・・分かっちゃったの。
零君の言うとおり、私、ちっとも景君のこと見てなかった。
いつも近くで励ましてくれたのは景君なのに・・・
助けてくれる零君ばっか見てたから・・・
大嫌いなんて、私・・・・・どうすればいいの?