第2話
 兄の彼女

数日後・・・俺らは3人で学校に向かっていた。
言いたい・・言いたい・・けど悲しい顔なんて見たくない・・・
だから言わない・・零に彼女がいるなんて絶対言わない


「零!おはよ!」


と思った瞬間・・・・1人の女の子がやってきた。


「誰・・?」


姫はあった事のない女の子・・


「桜!!」


桜 さくら も姫に会ったことなんてない・・


「この子誰よ、零?」


「この子は幼なじみ。10年振りに帰ってきたんだ。」


彼女の質問に答える兄零。
そして、桜は安心した様な顔で笑って
姫にこう答えた。


「私、桜。零のーー・・」


次の言葉を言う前にセイが割り込んだ。


「姫、来い!」


「え?ちょっと、景君?」


姫は景に引っ張って行かれてしまった。


「痛いって~ねぇーっ!」


絶対に聞かせない・・
桜が彼女なんて言ったら・・姫は悲しむ

「アイツ・・なんで先行くんだ?」


そんな景の思いも知らずに零は疑問に思っていた。
姫には知って欲しくない・・・


「ねー景君、あの子誰?」


俺が知ってる限り、桜はゆいつ、
不良な零を好きって言ってた


「女友達。」


「女友達かー。良かった~彼女だと思ったぁ。」


そう、姫は笑って答えた。
桜は彼女だけど・・・いえねぇもん


「零君のこと大好き 誰にも、取られたくないもん。」


真っ赤になって姫はそう言う。
大好きな言葉に俺は苦い顔をする。


「・・・うん、知ってる。昔あげた そのピン・・・。」


「え・・?」


約10年前にあげた、あの長細いヘヤピン・・


「上になってるの零のRだろ。で、俺のがKで下・・。」


好きだから、アイツが兄の零が好きだから上なんだよな、
あの時から・・


「覚えてたんだ・・零君は覚えてないって言ったのになあ・・・?
おじさんに書いてもらったんだよね。2つとも同じピンだから。」



大好きな彼女との思い出を 零、アイツ覚えてないのか・・?
姫と同じクラスなのは・・・


「景君と同じクラスかあー・・。」


彼はみんなに勉強を教えていた。
それは景より前に座っている彼女姫でも分かる。
でも・・景が彼女のため息を見ると


「あ、いや・・俺わかんねーや。」


と、教えるのを止めてしまう。
いくら教えてもアイツが振り向いてくれなきゃ
意味なんてないーー・・・
ーー・・そして昼休み。
俺と零と姫と桜で昼食を取っていた。


「なあ、景。まだ痛むわけ?」


零が景のおでこに貼ってあるばんそうこを見ながら言った。
すると、景は柵を握り締め


「景?」


「景君?」


ガンガンと頭をぶつけ始める。


「いてーよ、いてーよ!」


体を傷つける事しか出来ないよ・・・。
姫、俺はーー・・・
こんなに好きなのに実らない恋ならば
・・生きてても意味ないって

「景君、止めなって!」


こんな思い止められないのは分かってる・・。
そう、思うだけで俺は悲しくなる。
どうせ姫は俺じゃなく兄の零しか見ていないのだから・・・


「なおんねーよ。」


ガンガンと景は頭をぶつけ続ける


「景・・・。」


「この痛みは・・・。」


「景君・・。もう止めて。」


姫はそう言って俺に近づいてきた。
俺の顔を触り心配そうに見つめる。


「姫・・・。」


零ばっかり・・俺なんか忘れて 兄の事ばっかり・・
お前の心には俺は居ないの分かってるけど・・
けど、俺は・・・っ!