夏休み・・・
俺は闇勝に帰っていた。
キルには
「心配するなよ、すぐ帰ってくる」
「してないし!」
と、言ったものの数週間はたっている。
父として、俺をあの家にもどらせたくないのだろう・・・
まあ、夏休みの間なら・・・いてもいいか。
「たく、あの子・・・帰ってこないわね。」
「そう・・・だね。」
夏休みに学校に行く日でも彼の姿はなかった。
あの人はどうしていつもそうなの?
ケイが笑わないのもあなたのせいなのに・・・
「おばさん?」
「ううん、なんでもないわ。
キルちゃん、ケイちゃんの力になってあげてね。」
力・・・?
「ん?」
「ふふっ・・・。」
母はそう言いながら笑った。
姫が元気で仕事すればいいのよ、そう言った。
俺が居ない間、姫の様子がおかしいとちらほら
耳に入ってくるが・・・
「いらっしゃいませー」
キルは先輩の店にたちよっていた。
だか、姫の表情はTVに出てる姫ではなかった。
「ひ、姫!なんか、あったのか?元気ねーじゃん?」
セイ先輩が心配そうに声をかける。
「つーか、王子どうかしたよ?俺が卒業した頃もそうだったけど・・・。」
そう、あの時。
キルはキスしてないと言い張った時、ほっとした自分がいた。
けれど、あの時は胸が張り裂けるようにもやもやした。
「・・・笑えよ、姫。俺に笑ってって言ったの姫じゃねーかっ!」
先輩・・・・
「僕・・・心に穴が開いた気分なんだ。」
「穴って・・・やっぱ俺のせい?」
俺が大好きなのに別れてなんて言ったから?
「ちがうけど・・またテスト最下位なのーっ!」
キルは先輩にそう怒鳴った。
「今回は勉強したつもりなのに・・。」
・・・それはもっとまずいんじゃないのかな、姫ーー?
「やっぱ引いたんだーそんな顔してるっ!」
「ええっ!これは違うって!!
一緒の高校行くって言ったのお前だし・・・?
ま、俺も姫と一緒にいたいし?」
あ・・・
「うん・・。やっぱり、先輩といると元気でちゃうね。」
「う・・。」
僕の心を埋めてくれる
僕の王子様。
けっして、この穴はブルーガ君がいないからって
出来た穴じゃないって・・・
僕はずっとそう思いたかった。