翌朝。
目が覚めると光が目に入る。
今日は晴天のようだ。
しかし、隣にはかなちゃんの姿が無かった。
風邪引いてる、無防備な俺を見て耐えられなかったのだろうか?

そんなことを考えていると、歩く足音が聞こえた。
そして、部屋の戸を開ける。
入ってきたのはかなちゃんだった。
かなちゃんは何かをもっていたようだ。


「あ、やーくん起きたの?」


「あ、うん。」


俺はそう言いながら体を起こす。


「駄目だよ、寝てなきゃ。」


・・・・・
かなちゃんは持っていたおけらしきものを俺の真横に置き、

かなちゃんも座った。桶の中には水が入っていた。かなちゃんはタオルを水に浸し、

ぎゅっとタオルを絞る。そして、


「・・・っつめた。」


俺のおでこに乗せる。
しかし、タオルはもう一枚あった。


「やーくん、早く直してね。」


看病してくれるのは嬉しい。だけど、1度も体温測ってない。


「あ、あのさ、かなちゃん。」


「なに、なに?なんか食べたい?」


・・・・・


「なんでもない。」


「そっか!じゃ、じゃあ。体ふきまーす。」


かなちゃんはそう言うと、かぶせてあった布団をはぎ、

俺の服を脱がしていく。
・・・・


「ちょ、かなちゃん?」


「はい、病人は無抵抗!」


・・・うっ
かなちゃんは俺の体を乾いたタオルでふき取っていく。
へそから首へ、円を書くようにふき取っていく。
俺の目線から彼をみると、真剣な眼差しで拭いてるのが分かる。


「・・・・・か、かなちゃん。あのさ。」


「あ!そうだ、体温、体温!」


・・・・


「やーくん、待っててね、持って来る!」


「あ、おう。」


かなちゃんは立ち上がり、部屋から出てってしまった。
俺の言葉には耳を貸さずに行ってしまった。
でも、俺の言いたいこと分かるなんて・・・さすがかなちゃんだな。

数分後、かなちゃんが体温計をもって現れた。
もちろん体温をはかった。
そして、その温度をかなちゃんが見ると驚いた表情で俺を呼んだ。


「やーくん!?」


「どうした?」


「やーくん、熱ない・・・。」


正常値に戻っていたようだ。


「あーかなちゃんが看病してくれたから直ったんだよ、な。かなちゃん?」


「そっか!俺のおかげなんだ!」


にっこり笑顔でそう言い、彼は嬉しそうに俺に抱きついた。


「ああ・・・お前のおかげだよ。」


俺がそう言ったあともかなちゃんは離れようとしなかった。


「・・・・・かな?」


「俺・・・はなれたくないよ・・やーくん。」


「かなちゃん・・。」


そう、もう残り1週間でかなちゃんも俺の夏休みも終わってしまう・・・・
俺は高校が都心にある為、帰らなければならない。
別れが近づいてる証拠である。