小学校4年の春・・・もうすぐ5年生になろうとしたあの時
俺は英才教育がいやでたまらなくて、たまらなくて
事務所を抜け、どこかの公園に迷い込んでいた。
その公園の中央には大きくまるいトンネルのような穴がたくさん開いた
隠れるにはぜっこうの場所。雨宿りも出来そうな場所だった。
近づいてみると、なき声が聞こえた。
中で泣いているのは


王子様「誰?」


誰かと思って覗いたら、あの時のあの葬式で見たあの笑顔の少女。
そう思い、ケイは彼女の手をひっぱり事務所へ走って行った。
走ってる間に彼女は泣き止んでいた。


王子様「ちょっと、来て!」


困る姫君「へ?」


事務所の目の前に来たとたんに俺は何かを忘れてるような気がした。
あ・・


王子様「・・・君の名前と学年教えて?」


姫君「キル・・・。」


キルかあ・・・。
それに、俺と同じ学年だったんだ・・・。


王子様「じゃ、キル。ちょっと来て!」


俺はキルをつれて、スタッフたちがいる場所へと連れ込んだ。


「あ、王子。おかえりー・・って後ろの女の子は・・?」


スタッフみんながキルのことをじろじろ見つめる。


王子様「姫なんだけど・・・」


姫という言葉にスタッフみんながおどろいた。
なんもへんてつもないこの女の子が姫と王子が言うんですから。


真面目な王子様「駄目なわけ?」


「ないですっ姫と王子ぴったりです!」


「王子には姫が必要ですもんね」


そう、俺には姫が必要なんだ。
母さんの約束・・・


真面目な王子様「俺は・・・お前と一緒にいたいだけなんだ。

お前が姫をやってやめないかぎり、俺が王子をやめないかぎり、

お前のこと一生守るって約束するっ。」


その時、母さんがこの部屋に入ってきた。


シズ「何事なの!?」


「あ・・社長・・その」


スタッフが王子とキルのことを説明しようとしたとたん、

母さんの目に写ってものは俺がキルの手をにぎり


真面目な王子様「芸能人になるんだよ。」


姫君「王子と同じ・・?」


王子から他の人をさわらないはずの王子なのに、
その姿は母さんにとってファンが無理やり握手してるようにみえたのか
それとも、愛する1人息子をさわられてるのがイヤなのか・・・
母さんはキルを追い払い、俺を抱きしめた。


シズ「王子っ!!」


泣き虫姫君「ひゃあ」


キルは母さんに飛ばされ、ドテっとこけてしまった。
俺がふとキルを見ると泣きそうな顔をしていた。
キルは泣きながら姿勢を体育すわりにした。
俺はこういいながら守るように母さんに言った。


真面目な王子様「ちょっと!この子姫なんだけど。」


シズ「その子が姫・・・?」


真面目な王子様「だから、この子をさ。」


皆が見たいのは俺の笑顔。
母さんと約束したのは姫といれば笑顔になることーー・・・


笑顔の王子様「ねっ」


俺はそう言いながら初めて笑顔を母さんに見せた気がした。
すると、母さんは嬉しさのあまり、また俺に抱きついてきた。


シズ「わかったわ、王子!!なんとかやってみるわ!」


王子様「・・・うん。」


あれから約2年。
もうすぐ今年も終わりの頃だった。


笑顔の王子様「卒業おめでとー」


王子はネコの人形を姫にわたした。
そう、キルが大事と言ってた、あの人形・・・。


笑顔の王子様「ところでさ、キルは何処中に行くわけ?」


困る姫君「黒猫中じゃないの?」


あー・・・ここらへんの地域の人は黒猫中かあ。
キルと一緒のトコロ通いたいな・・・


笑顔の王子様「ふーん、黒猫中か。俺も行こうかなっ♪」


それから、俺はいろいろ手続きして、闇勝をやめ黒猫中に行く事になった。
父は反対したものの母さんが押してくれた。

だから、俺は黒猫中にいるんだ


笑顔の王子様「な?言ったろ・・?だから俺が王子ってわけ」


キルは元気がなかった。
ずっと下をむいて聞いていたのだ・・。


泣き虫姫君「・・・バカ。」


王子様「え・・?」


怒った姫君「ブルーガ君は何もかも分かっててバカバカ言ってさ!

からかってたんだ」


キルの目から涙がこぼれ、そう俺に怒りながら言った。
キル・・・・・
たしかにバカバカ言ったのは悪いと思ってるけど・・・・
お前・・・バ・・・


泣き虫姫君「本当にバカだからしょうがないけど」


・・・・
キルは泣きながらそう言った。


泣き虫姫君「あーっ絶対先輩にバカ姫って引かれてるよぉっ!」


なんだよ、また先輩かよっ
俺はキルの手を引っ張り、顔も近づけた。


真面目な王子様「俺はひかねーよ・・っ」


表の世界の眼鏡かけて、髪も結んでる、

分かり合える友達なんていない、お前の姿も
裏の世界の姫として王子とやってきた、お前の姿も


王子様「どっちも知ってんだ。」


なのに・・なのに


真面目な王子様「なのになんだよ!近くにいるのが当たり前って!

男として見てないってなんだよっ」


俺だって・・男なんだ!俺の事、男として見ろよ!!


俺はそう思うと彼女にキスしようと唇を近づけていた。


「着きましたよー」


運転手のその声に俺はすぐさまはなれた。
俺・・・今なにしようと・・?
キス・・なんで、キスしようとしたんだろう?

着いた先は母さんが営んでいるあの芸能事務所である。


シズ「えーっとなんで・・そのカッコなのに眼鏡かけてないのかなー?」


事務所には母さんがいた。
母さんはびっくりしていた。
黒猫中の制服なのにいつもなら眼鏡かけてる俺と


シズ「そ、それにキルちゃんまで・・」


姫君「・・・おばさん。」


後ろにはキルの姿があったからだ。


王子様「もう、いいんだ。学校のみんなにバレたし。」


シズ「もういいって・・。」


真面目な王子様「全部公開する。俺とキルの事・・そのためにきた。」


本名も、年齢も、誕生日も・・・・


シズ「ケイ・・・。再婚して一緒に暮らしてるのも?

あなたの父があの人でも?」


びっくり王子様「あ・・。」


それは・・・


困った王子様「やめとくわ。」


姫君「え?誰?誰?」


怒りの王子様「お前うっさいよ!俺はアイツが嫌いなの!」


キルの父と俺の母と再婚して一緒に暮らしてるのキルが内緒にしてるように
実の父が大企業闇勝の社長だなんて言えない・・・・
ブルーガ家が闇勝の家系だなんて言えない・・・・
それだけは世間に言えない秘密。