2階にあがり、部屋に行くとキルが自分の椅子に座っていた。
椅子に座り、うしろ姿のキル・・・。やばいな・・可愛い。
そんなの口になんて出せないけれど・・・・。
キルとこれからは一緒の部屋で暮らすんだよな・・・。
沈黙が流れる。
俺は自分がもってきた荷物を用意してくれた机に広げる。
ただ、ココにもってきてはイケナイものもある。
それは王子のモノ。
姫からもらった私物である。
王子のモノは事務所に置いたままだ。
そんなコトを考えていたら、キルがいきなり椅子をひいて立ち上がった。
「どうした?」
「・・・。」
うん?言ってくれないと分かんないんですけど・・・
キルは無言のまま2段ベットへ向かう。
そういや、どっちがどっち使うなんて決めてなかったな。
「俺は上を使わせてもらうから、な。キル」
寝顔なんて見せないし、朝起きた時、まだキルが寝てたら見れるし。
・・・一石二鳥だもんな。
そう言いながら俺がはしごを上ろうとしたらキルが話しかけてきた。
「・・・ブルーガ君なんで名前で呼ぶの?」
・・・うっ!
「別にどーでもいいだろ!」
ずっとキルって呼んできたんだ、今頃姓で呼べって言われても・・・
困る。
「だって・・。」
「あ、あれだ!性だとオヤジさんと同じでよびづらいからだ!!」
「前からそう言ってたような・・」
・・・っ!!
そういや、言っちゃったんだっけ・・・・
あの夜、セイと写真撮りってキルが言ってた、あの時。
「だ、だまれバカ女!!」
「バカバカ言うな!!」
バカバカバカじゃねぇか、バカ!!
あーもう、なんでこう・・なちゃうんだよ!
「学校でも呼んで欲しくないならスルーするんだな、バカ女!」
俺がそう言うと、キルは背を向け、崩れ落ちた。
そんなに・・落ち込むものか?
キル・・・
「ん、だったら勉強教えてやろーか?」
この子供の頃から英才教育を受けた
この俺が教えてもいいっていってるんだ。
キル、ぜったいにせがんでくるよな!
「え・・・?」
キルが俺の声に気づきこっちを向いた。
向いた瞬間、ドキっとし、俺は胸が痛んだ。
彼女は目から涙が出ていたんだ・・・・
「何か言った?」
そんなに・・俺のコト・・嫌いなのか?
そんなに・・先輩が好きなのか?
・・・こいつには先輩がいる。
なのにーー・・・・先輩に悪いよな・・一緒に暮らすなんて。
「なんでもねーよ。」
俺はそう言ってキルに背を向け、自分の机の方へ行った。
俺は登校用リュックサックの中からノートを出して開こうとしたとたん
キルがいきなり言い出した。
「なんで笑わないの?」
その言葉に俺は手を前に押し、頭を机にぶつける。
まるで、ギャグマンガの様な反応だ。
俺は立ち上がり、すぐさまキルに怒鳴った。
「お前ケンカ売ってんのか!忘れろつーたろ!」
すると、キルは泣きそうな顔でこう言った。
「売ってないけど、僕の前じゃちがうしー」
「・・・本当お前、どんかんだな。
他の奴にしゃべったら、どーなるか知らないけどな、笑ったらきっと・・・」
俺の正体バレる。
お前がにぶいだけのこと・・・。
「ま、でも・・・お前がどうしてもって言うなら笑ってやってもいいけど。」
俺がそう言うと、キルは顔を真っ赤にさせた。
そして、キルはパジャマの服をもって部屋から出てってしまった。
「なんだ?」
ただ1つ分かることは、キルが着替える為に1階に行ったという事。
「・・キルが来ないうちに俺も着替えようっと。」
数分後、キルが部屋に帰ってきた。
水色のパジャマを着たキルの姿が・・・。
可愛いなんて言えないけど・・・。
キルは人形をもち、そのまま2段ベットへ行く。
そういや、人形ないと寝れないって言ってたなあ。
そして上の方ではなく下の方へ彼女は頭を下げ入っていく。
キルはしかれた布団の中にもぐって行く。
俺に見えないようだろうか?眠った顔が全然見えない・・・
俺が1人でノートに王子の仕事である脚本を書いてる数分後、
キルの声が聞こえた。
「すぴーにゅうにゅう・・・」
・・・・
にゅうにゅう?
ね・・寝言か?
ってことは・・・眠ったのかよ・・・こいつ
俺がココにいるのに、さ。
人形と一緒に抱いて寝てるからか?
「キル・・・。」
キルが寝たのを確認した後、俺は眼鏡をとりキルに話しかけた。
布団の中に潜っていた彼女だが、寝相が悪いのか、あついからなのか、
腰から上、そう、眠った顔がはっきり見えた。
「キル・・昔の王子だって笑ってなかった・・笑えるようになったのは・・。」
母さんの約束・・・なのかもしれない。
それでも、俺はキルといると楽しいかった、あの子供の頃は・・・
だけど・・・・
「キル・・。」
キルは俺じゃない、姫がいての王子なのに、先輩の彼女になった。
「本当ムカツク!」
そう思うと、キルにキスをしていたのだ・・・。
「眠れないな・・・。」
キルが変な寝言を言いながら下に居る。
「キルは意識して・・ないんだよな。」
そんなの分かってる、分かってるけど・・・・
そう思うだけで涙が流れる・・・
俺は泣いて疲れたのか、いつのまにか眠っていた。