朝は本当神経使ったなあ・・・あれ、夜にもあるんだよな・・・
俺、生きていけるのか?
「やーくん、勉強しよう~」
そうだったな、勉強教えに来てるんだよな・・・・。
「おう~哉夜の部屋だよな」
そう思いながら、足を動かすと哉夜がいきなり呼び止めた。
「やーくん、俺の部屋こっち・・・なんだけど。」
「・・・・はははっ!冗談、冗談!」
哉夜の家広くて・・・全然わかんないつーのっ!
「なら、いいけど・・迷ったら言ってな。
すぐに俺、かけつけるからさ?」
「・・・・あ、ああ。」
「やーくんに頼られるの、すっごい嬉しいんだ、俺!」
そう笑顔でかえす哉夜。
「そ、そう。」
部屋につき、テーブルに教科書にノートを広げ、
昨日の続きをする。
哉夜は質問ばかりしてくる
「哉夜。たまには自分で解いたら?」
「・・・・俺さ、質問してるのやーくんと話したいからなんだけど。」
あー・・・さいですか
「そんなこと言うなら、教えてやんないぞ、哉夜。
家庭教師とかやとえばいいだろ?」
「言わなかったけ?
俺、哉夜がこの町出てったあの日からずっと家庭教師来るんだ。
女の先生なんだけど、ね。」
ふーん・・・女の先生ねえ?
俺が中学から都心に通うって言ってからだから・・・
この町を出てってから、もう5年か?
5年もその先生と一緒なのか・・
「先生と俺、どっちが可愛いんだ?」
「え?」
!!
うわっ!何言って・・・・っそりゃあ・・・気になるけど・・・
・・・気になるって何!?俺、べつに・・哉夜のことなんて・・・っ
「なんでもねぇ!」
俺は哉夜の目線にあわせる事が出来ないまま
時間だけが過ぎていく・・・
哉夜は1度も俺に質問しなかった。
途中、昼飯が部屋に運ばれたが、
哉夜も俺もあいさつだけしてそれから何もしゃべらなかった。
「・・・・。」
哉夜は今何を思って勉強してるのだろう・・・
そればかり脳に浮かんでしまう。
哉夜がちらりと哉夜のベットで本を見ている俺を見ていた。
が、俺は本に夢中で気づかずに居た。
その時ふと哉夜を見ると、すぐに哉夜は目線をノートにうつし、
もくもくとペンを走らせる。
俺のコト・・・さけてる?
そう思うと胸がチクリと痛んだ。
「な、なあ・・・哉夜。」
俺の言葉に反応したのか彼は俺のほうを向いた。
その時だ。
俺の胸ポケットから携帯の着信音がなったのだ。
哉夜もそれに気づく。
「もしもし、夜那だけど?」
電話の遠くから聞こえる、息の切れたような声。
「どうした、月羅?」
相手の声は俺の彼女の弟である月羅(つきら)だった・・・。
彼はゆっくり深呼吸をして、俺に言葉をはっした。
それは衝撃の一言だった。
「・・・・わかった。今すぐ、そっち行く。」
深刻な顔で電話越しに話す俺の姿に哉夜も
心配になって声をかけてきた。
「やーくん・・?何かあったの?」
「哉・・・っ」
俺が最後まで名前を言う前に、
向こうからどでかい声で月羅は俺に言ってきた。
「ねーちゃんがいるくせに、他の女に手出すなんて最低だ!
お前なんか来るな!2度と来るな!」
月羅・・?
「おいっ!」
俺が話をするまえに電話が切れた。
もしかして「かな」と言う名前に勘違いしたのだろうか?
「やーくん?」
「電話きれちった・・。」
「やーくん、今すぐ行くって?」
「・・・ああ。わりいな、哉夜。勉強会、
今日で終わり・・だな。」
「え?」
「俺の彼女が事故ったらしいんだ。」
その言葉に哉夜はおどろきを隠せなかったようだ。
「彼女?彼女ってなに!?」
俺のむなぐらをつかみ、悲しい目で俺にうったえてきた。
「か、彼女は彼女だろ?俺、付き合ってる女いるんだよ。」
でも・・事故なんて・・
「彼女のもとに行くってこと?」
「まあ。そういうことになる、な・・・。」
心配で心配でしょうがなくて、頭が変になるほどだった。
けど、心配させないように哉夜の前では冷静でいた。
「俺も行く!俺も行っていいだろ!?」
・・・・
「へ?」
行くって・・・俺の彼女のところにか・・!?
好きな男と付き合ってる女のもとに哉夜も来るってコトか・・・っ!?
「でも、もうすぐ夕食だぞ?お前いないと・・・食べないだろ、あの・・」
こわもてのお兄さん方・・・
「行くったら、行くんだ!」
「・・・・。分かった、行こう。」
哉夜はなんとかして父にゆるしを貰い、
俺と一緒に都心にある病院に向かった。