今日はバレンタイン。
姫にした年からずっといい続けている。
今、事務所にいるのだが
その時、姫がとことこと俺の名前を言いながら走ってきた。
「おーじーっ」
「あ、キルっ今日ーー・・」
俺が言葉を発する前に
姫はひらべったい箱を俺に差し出しながらこう言った
「はい、チョコ。」
チョコ・・・?
「今日、バレンタインじゃん?」
そう・・だけど
「ファンからのか?」
「違うよ・・。ファンからの受け取らないじゃん・・・」
その通りだけど
「え?じゃあ、コレ・・・って?」
俺がそう答えると、ポリポリとテレながら彼女はこう言った。
「王子、毎年チョコ作れ、言うんだもん・・・だから・・・」
たしかに姫にした年から言い続けている。
言わなきゃくれなかったから、そういい続けてた。
いつもは言った翌日にくれるから、言わないでくれるなんて・・・
「キルの・・・?」
「う、うん。」
「キル、ありがとっ」
俺は嬉しさのあまり、キルに抱きついてしまった。
「マジ、嬉しい!」
彼氏のセイじゃなく、俺にくれるなんて・・・・
なんて、嬉しいのは今だけだった・・・・
翌日、キルが3年生のいるクラスの方へ歩いていっていたのだ。
「キル・・・?」
俺が追いかけていくと、
何があったか分からないほどの速さで
キルがこっちへ向かってくるのだ。
そして、俺にぶつかる
「ひぶっ」
目の前に居るの分かっててぶつかるなんて・・・・
ぶつかったとたん何かが廊下へ落ちた。
それは、小さなストライプ柄の箱。しっかりリボンもくるまっていた。
昨日バレンタインだったと考えれば、この中身はチョコと判断する。
「ごめんなさいっ」
そう言って、キルは先輩のクラスから遠のく。
「ちょっと。これ。」
俺はその箱をもちながら、キルに話しかける
「いいよあげる・・・」
その時、キルは見てしまった。
ケイが持っていた、食べかけのチョコのビスケット。
それは昨日、王子にやったチョコだったのだ。
「くれんの?」
俺がそう言ったとたん、右手で持っていた箱は先輩に取られた
「駄目だっこれは俺のだっ!」
・・・先輩のだと?
俺は2人を見守るようにその場を離れた
「あるなら言えよ。」
俺よりも豪華な箱で、リボンもしっかりむすんであって・・・・
あの時は彼氏なんて居ないって言ってたのに・・・
もやもやした気持ちで放課後、図書室に静まるケイ。
「・・・・・おい、ケイ帰らないの?」
ルルスが話しかけてきた。
今日もたくさん仕事が煮詰まってる。
けれど、そんな気分になれない・・・・分かってる。
そんな気分になる意味分かってるけど・・・・
「はあ・・・」
ため息が出てしまう。
「キルには好きな人居ないって言ってたよな?
なのに、セイと付き合ってる、なんでだよ」
「ケイ・・・たぶんさ、あの時はまだ好きって思ってなかったんだよ。」
・・・・・・・
「未来は分からないだろ?いつか、ギルドがケイの事
好きになる未来だってあるかも知れないし、
今はセイと居るかもしれないけど、
未来は先輩よりもケイの事好きになってるかも知れないだろ?
そんな、顔すんなよ。な、ケイ?」
ルルス・・・・・
「そ、そうだよな・・・・」
未来なんて誰にもわからないんだよな・・・
なんて思っていたら、キルが図書室にやってきた。
1冊の本を返しに来たらしい・・・・
その1冊の本は、
ケーキやクッキーなど載ってるお菓子の本だった。
「なあ、ケイ。
キルからチョコ貰ったんだよな?見せ付けてたあのチョコ?」
そのチョコ見てて今日の朝からずっとニヤニヤしてた。
担任は何にも言わなかった。
俺がいつもテスト1位で出来る子だからだろうけど・・・
「ああ、貰った。毎年くれって言ってたからさ。」
また俺はニヤニヤし始めた。
「それってさ、先輩にあげるためじゃなくてさ、
お前にあげるために、あの本、見てたんじゃないの?」
あ・・・そういや、隠そうとしたのも俺に内緒であげるため・・?
「かもな♪」
キルから仕掛けたんだ・・・俺が毎年言ってるから・・・・