年は明け、今日から3学期なのだが・・・・
キルの様子が変なのだ・・・
こまめにセイはキルのクラスにやってくるし・・・
俺はキルとは同じクラスじゃないし、
廊下で遠くから見つめるしか出来ない。
そんな事思っていたら、ナナがこんなことを言っていた。
「前よりつねにいるよね、付き合ってるのかな?」
・・・・・そんなの俺が許さない。
金で女を抱く先輩だぞ?付き合ったりなんかしたら、
キスも・・・・
そんなこと思うだけで胸の奥がもやもやする。
「だってよー、ケイ」
ルルスが俺に話しかけてくる。
「だから、なに?」
顔を変えずにそう、答えるが心の奥じゃむかついてる。
今、キルと一緒にスペシャルドラマをやっているのだ。
しかし、姫の様子がやはり変だ。
「キル?その台本さかさま・・・」
「え?」
そう言って、姫はあわてて元に戻す。
姫は笑ってごまかすが、絶対セイとなんかあったよな・・・
「次、ラストシーンだから、な。」
そのスペシャルドラマとは
余命1ヶ月と申告された女の子と幼馴染の男の子の物語。
女の子、「ナツ」を演じるのが姫。
相手役の男の子「ハル」を演じるのが王子。
余命1ヶ月と申告されたナツ。
それと、聞いてしまったハル。
「何やろっかな?チョコパフェ食べたいなあ」
は?
「他にないのかよ!?1ヶ月しかないんだぞ!?」
ハルは怒鳴りつける。
「え、じゃあ
チョコレートケーキ、チョコスナック。限定ものもいいな。」
そう言ってナツはよだれをたらしながら、そう言った。
なんなんだよ・・・
「人の事考えろよ!!」
ハルはそう言って病室から出てってしまう。
「え・・ちょっ・・」
「くっ」
「ハル・・?」
人の事って・・・・・
数日後、ナツは退院して普通に学校に通っていた。
みんなに余命のこと、ばらしていた。
「え・・?1ヶ月で?」
「いやー参っちゃうよっ」
ナツはいつも通りに明るく、笑ってみんなと話していた。
なんで、あんなに明るく出来るんだ?俺は無理だ、よ・・・
ナツが・・ナツが居なくなるなんて考えたくない・・・
1日、1日が短く感じる。
あれからナツとは話していない。
1ヶ月なんてすぐで・・申告されて残り3日になってしまった。
「よく笑っていられるねーっ」
「だってそれ以上生きられるかも知れないじゃん?」
「そっだよねっ」
「じゃ、ナツまた『明日』。」
「うん。」
友達と別れ、ナツはポツンと1人教室に残った。
誰も居ない教室・・・
「・・・・。」
音も無く、それはまるで自分が
別の世界に来たみたいな空間。
死んだら、きっとこんな世界になるのだろう。
誰もいなくて、誰も泣いてくれない、
祝福なんてしてくれない無空間へ飛ばされるのだろう。
「また『明日』か・・・」
そうナツが思ってると一粒の涙がこぼれる
「明日なんて来るのかな?」
本当は笑顔になんかなれない。
笑ってなきゃ、そう皆に心配させたくない
元気だって思っただけだった。
だけど、彼女には余命の重さは大きくて涙が止まらなくなる。
「泣いてる場合じゃないな・・かえろ。」
早く、この無空間から抜け出したい、
そのいっしんで手で涙を拭きながら、
教室から出るとそこにはハルがいた。
忘れ物でも取りに来たのだろう・・・
「ナツ・・・目、赤いぞ?」
ナツにはハルの目がさっきまで泣いてたように見えた。
「ち、ちがうよハル・・・」
そう言うナツだが、また目から涙がこぼれる。
その姿にハルはすぐにナツを抱きしめた。
本当は辛いのに我慢してた、無理してたって・・・・
「やっぱり、ヤダ!!」
「ハ・・・ル?」
そして、ナツはハルから離れ、
肩に手を当て、こう言った。
「やっぱり、泣いてるじゃねぇか!ナツ・・・っ」
無理なんかしなくていい・・
「泣いてんだったら、全部俺に吐け!
なんでも叶えてやる!!」
「なんでも・・・・?」
ナツがそういったとたん、
彼女は腰がカクンと落ちてしまった
「ナツッ」
ハルはいそいでナツをかかえる。
「・・・出来るなら『恋人』欲しいな。
短し命だし悲しませるから本気の恋なんて出来ないもん」
はじめてナツが余命されて、本当の事を言ってくれた。
本当は心細いこと、本当は死にたくないってこと
恋人・・・
本音を言ってくれないナツにむかついてた理由・・・・
それは----・・・・・・