俺は響 夜那(ひびき やな)高校2年生。
夏休み、数年ぶりにこの田舎の町に帰ってきた。
夏休みの間、幼馴染のかなちゃんのところにお世話になる。
かなちゃんとは本名、勝野 哉夜 (かつの かなや)
外国のお人形みたいにかわいくてしょうがなくて
・・・俺の初恋だった。
今は今住んでる都心の方に彼女はいるが、
かなちゃんに会えると思うと胸が高まっていた。
「ここだ、かなちゃんの家は・・・・」
あおちゃんの家はりっぱなお屋敷。まるで極道が住むような家だった。
俺1人ぐらいお世話になっても平気なくらい大きな家だった。
家の中へ入ろうと思って、ドアを開けようとしたら、全然開かなくて・・・
「何やってんの?お前は・・・?」
その声に気づき俺は後ろを向くと、そこには金髪の男が立っていた。
もしや、この家の者なのか?
「俺、この家に呼ばれてきたんだけど・・・・?」
俺がそう言うと彼は少し黙ってしまった。しばらくたって、
男は衝撃の一言を言った。
「もしかして、やーくん?」
・・・・え?
「やーくんって・・・・え?かなちゃん?」
だって、この姿・・男ぽいし・・声も・・・
「うん、そうだよ。」
「冗談だろ?男装してんの・・?」
「やーくん・・・もしかして俺のこと、女って思ってた?」
・・・・・・・・
「ちょっと待て!」
「なんだい?」
「俺さ、かなちゃん・・・」
女と思っていた初恋のかなちゃんは実は男だったなんて・・・
こんなのってねぇよ・・・
「・・・やーくん。家入ろうか?俺の部屋ではなそ?」
かなちゃんなんて、もう呼べない。
「おう・・・。」
中に入るとこわもてのお兄さん方が出迎えてきた。
「哉夜ぼっちゃん、おかえりなさいませ!」
ぼっちゃん・・・?
「あ、この方がぼっちゃんの友達の夜那様ですね!」
「うん。とうぶん、よろしくね。」
よろしくねって言われても・・・・・
「はい!!」
「哉夜・・あのさ?」
「なに?やーくん?いつもみたいに呼ばないの?」
呼べるわけ、ねぇだろ・・・?
「・・・俺、やっぱさ・・・帰る。」
頭の中こんがらがって、上手く働かないんだ・・・
哉夜が俺と同じ大学行きたいって言うから
勉強教えに来たのに・・・・
「帰るの・・・?」
寂しい顔で哉夜が言ったとたん、
どこからともなく声とともにこわもての男が来る
「泊まりなさい!ぼっちゃんの命令です!!」
命令って・・・
「わかったよ・・・」
ため息が出る。
「ありがと、やーくん!大好き♪」
・・・・・・・大好きか。
昔なら嬉しかった言葉なのに今は寒気がする。
「はいはい・・・」
俺がそう言うと哉夜は俺に抱きついてきた。
「ちょ・・っ!」
哉夜の顔が近い・・・こんなの意識なんてしなかったのに
昔と変わらず顔だけは可愛いんだから
・・・なんで男って分かってるのに胸が高まる?
「いこー!やーくん!」
無理やり、哉夜は俺の腕を引っ張り屋敷の中へ連れ込んだ。
俺はきっと哉夜にあんなことしてしまったから
・・・・胸が高まるんだって・・・
