5話「わな、粘々と」
あらすじ
政府の人間が集まる夜会や舞踏会で、妖人の仕業と思われる軍人を狙った事件が頻発していた。
なんでも、女の誘いに乗ってついていくと突然巨大な人食い蜘蛛に変身して人を襲うというのだ。
花楯 鷹敏(はなだて たかとし)中尉の依頼により、その夜開催される陸軍上層部の夜会を警備をすることになった妖人省の面々。
一般の招待客に紛れ込んで警備をするため、西王母桃たちも洋装をして夜会に出かけることに――。
簡易感想
人食い蜘蛛が現れると言う話をもたらした花楯。
彼が妖人省に来ると聞き、朝からソワソワしているざくろ。
蔵にからかわれて、ざくろは仕事のパートナーだって誤魔化す景。
政府の人間ばかりを狙うその事件の調査依頼を頼まれた妖人省は、その夜開催される陸軍上層部の夜会の警護をする事に。
でも、夜会に着物は・・・って事で、みんなでドレスに着替える事に。
バテレン嫌いなざくろは最後まで激しく抵抗。
「馬子にも衣装って言うんでしょ」と、突っぱねるざくろに「君はもともと可愛らしいよ」と答える景。
夜会は大盛況。
だが・・・政府の要人たちと言っても、みんなぶしつけな目をざくろたち妖人に向けてくる。
怯える薄蛍に「堂々としていればいい」とフォローする芳野葛。
みんなそれぞれの組で警護に当たる事になったのですが・・・。
そこへ現れた花楯。
言葉が見つからないとか言いながら、しっかりざくろのドレス姿も可憐だってさ。
更にダンスに誘い、踊りながら女性の動きを探るのも仕事だとざくろの手を取る花楯。
だが、やはり踊っていても、妖人を見る目は厳しい。
「気にする事はない。みなあなたに見惚れているだけだ」
リードされ、頬を染めるざくろ。
そんなふたりを上から見ていた双子と丸竜。
雪洞と鬼灯は花弁式神を使い、花弁を御婦人方ひとりひとりに貼りつける事で、その女性の動きを察する事が出来るようになるという。
嬉しそうに踊るざくろを見下ろす景。
一方、前回心を通わせた薄蛍と芳野葛は・・・。
何もドレスについて言ってくれない芳野葛に不安一杯だった薄蛍。
自分には似合わないと思いこんでいたようですが、靴ずれを起こし、座り込んでしまった薄蛍に肩を貸した芳野葛。
その肩に触れた途端、流れ込んできた芳野葛の想い。
さて、景を探してホールをさ迷うざくろに声をかけてきた男たち。
興味本位で妖人であるざくろをからかう男たち。
その耳が本物か、確かめると言って、手を伸ばしてきたのだ!!
さわぎを起こせば、また妖人の評判が悪くなると言われ、身動きできなくなってしまったざくろ。
後少しでざくろの耳に手が届く・・・・その時。
「失礼、私の連れの者が何かいたしましたか」
景が登場する。
高等士官が、今時はやらない妖人いびりをしているのかと皮肉を込めて言う景の言葉にそそくさと去っていく男たち。
ざくろは景の胸をポカポカと叩き、涙した。
さて、ソファーで休んでいる丸竜と雪洞と鬼灯は・・・。
人の目も気にしないで歌を歌う鬼灯。
どうやら歌を歌っていないと、花式神の効力が続かないんだとか。
だがその時、花楯と一緒に、怪しい女性がどこかへ移ろうとしていたのを目撃してしまった双子。
すると、敵の尻尾を掴んだ事を察した鬼灯。
雪洞に花弁を使い、ざくろと薄蛍に連絡をつける。
屋敷の中に入ろうとする芳野葛と薄蛍。
だがその時、二人の前にフードを被った怪しげな者が「行かせない」と刀を取り出し足止めしたのだ!!
すぐさま薄蛍を庇い戦う姿、かっけぇっす!!
力で押されたその妖人は、傷をつけられ、ひとまず退散。
だがそのさい、逃がさないと立ちはだかった薄蛍はその妖人に触れてしまう。
流れ込んできたものに暗い闇を感じた薄蛍。
そして、気づかう芳野葛の前で、呆然と涙をはらはらと流してしまう。
記憶が見えたわけではない。
「気持ちだけは伝わってきた・・・何かを求めて、何かに追われて・・・。そして、とても・・・悲しくて・・・」
その頃、ざくろたちの前にも刺客が!!
ざくろは足に桜を仕込んでいたよう。
すぐさま刀に変化させ立ち向かうのだった。
そして双子と丸竜は、ある部屋へたどり着く。
だが鍵がかけられ、開かない扉。
そこで式神に開けてもらおうと提案する鬼灯ですが、それは出来ないと、火傷した掌を見せた雪洞。
なんと、式神が気づかれて消されてしまったよう。
そして、その傷は歌っていた者に返ってきた傷。
「わたくしたちは、自らの霊魂を式神に憑依させますから」
つまり、自分たちの命を花弁に分配して飛ばしているということか。
それは命がけの術ではないのか。
そんな話を聞かされた丸竜は、また式神を飛ばそうと言い出すふたりに許可出来ないとキツク言う。
「あけてくださ~い」と叫ぶ鬼灯。
だが部屋の中は真っ暗。
そこには巨大な蜘蛛の巣が!!
そこには精気を吸われたように絡められた多数の人間が!!
現れたのは、この部屋の女主。
彼女の目的は一体何か?
目の前で変化した女郎蜘蛛!!
女性に護られるわけにはいかないと、女郎蜘蛛に立ち向かう丸竜ですが、相手は妖怪。
とても敵うわけがない。
部屋中に広がる死体に、次第に恐怖に支配されてしまう。
そんな丸竜を包んだのは、花弁。
そして、鬼灯が「大丈夫」と何度も言いながら丸竜を胸に抱きしめたのだ。
鬼灯の歌が響き、安堵する丸竜。
だが・・・戦いを挑む雪洞は、鬼灯がいないため、力が半減。
なんとか桜で防護するのが精いっぱい。
それでも!!
「私たちが丸竜さまをお守りするんだから!!」
その力が乱杭を押したかに見えたが・・・吹き飛ばされてしまう雪洞。
丸竜は雪洞に向かって手を伸ばし、鬼灯に離してくれと頼むも、丸竜を行かせては、怒られてしまうと結界を崩さない。
だがその時、ざくろ現るっ!!
女郎蜘蛛を一気に切り裂いてしまったざくろ。
半端なく強い!!
雪洞の名を呼び続けるざくろ。
そして、目を覚ました雪洞は薄く笑みを浮かべる。
「少し待ちくたびれましたわよ、ざくろ」
よかった、無事のよう。
「丸竜さまに怪我がなくてよかった」と言う雪洞の言葉を聞き、悔しげに顔をゆがませると何も言わず部屋を出て行ってしまったのだ!!
その時、ふふふと笑う乱杭の声が!!
「何も知らずに戦わされて、なんてあわれんな半妖」と笑ったのだ。
「突羽根の子、ざくろ」
その名は、ざくろの母の名前。
何故乱杭がその名を知っているのか?
「このまま行けば、お前はきっと母親の・・・そしてお前自身の秘密を知る事になるでしょうよ」
そう言って高笑いをあげた乱杭は、消えてしまうのだった---------。