The great Gatsby chapter9 トムとの再会 | My life in Paradise

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フルマラソン走り始めて7年目に入りました。ランニング、アメリカンコッカースパニエル、ハープをブログに書いています。

10月のある午後遅く、ニックは5番街を歩いていると行く手にトムを見かけました。

ニックは追いつかないように歩く速さを落としましたが、トムが宝石店のウインドゥを覗き込んだ時に後方のニックに気づき、歩み寄ってきて手を差し出しました。

 

 

「どうしたんだいニック、握手を拒むのかい?」

「その通り、君には僕の考えていることが分かるだろ。」

「どうかしているぜ・・・。なんのことだかさっぱり分からん。」

「トム、あの午後、ウイルソンに何を言った?」

トムは一瞬、言葉を失ってニックを見つめました。それを見てニックは、あの空白の数時間に何が起こったか、正確に見当がつきました。

ニックが去ろうとすると、トムはニックの腕をつかみ言いました。

「僕は真実を言ったんだ。

あいつ、俺たちが出掛ける準備をしている時にやってきて、ポケットの中の拳銃をつかんだまま、あの車の持ち主を教えろというんだ。

それで仕方なく教えてやった。教えてやったからどうだっていうんだ。あの野郎が自分で蒔いた種じゃないか。

お前もディジーと同様、目くらましを食らったようだが、あいつは実際ひどい人間だぜ。マートルを、まるで犬ころを跳ね飛ばすように車で轢いて、しかも止まろうとしなかったんだからな。」

 

ニックはなにも言えませんでした。それは真実ではないという、言ってはいけない事実を除いては。

 

「それに、もし、俺が全然平気でいるなんて思っているなら、それはお門違いだ。いいか、俺があの部屋(マートルとの逢引のためにトムが所有していた)を引き払いに行って、サイドボードの上に犬用ビスケットの缶のやつが置かれたままになっているのを見たときなんか(トムはマートルに犬を買ってやっていた)俺も赤ん坊のように座り込んで泣いちまったんだぜ。まったく、やりきれなかった。」

 

ニックはトムを許すことも、好きになることもできませんでしたが、彼のやったことは、彼にとって、全く正当なことであったことは分かりました。

 

They were careless people, Tom and Daisy --they smashed up things and creatures and then retreated back into their money or their vast carelessness, or whatever it was that kept them together,(金とか、底なしの不注意さとかいった、二人を結び付けているものの中に立てこもった。)and let other people clean up the mess they had made...(自分たちが生み出した残骸の後始末を他人に押し付ける)

 

ニックはトムの手を握りました。そうしないのが馬鹿らしく思えてきたからです。for Nick felt suddenly as though he were talking to a child.

それからトムは真珠の首飾りを求めて店の中に入っていきました。

 


 

その後、ニックは二度とトムには会いませんでした。

原文では、

(He)-- rid of my provincial squeamishness forever.

とありますので、トムから見れば、ニックは気難しく偏狭であるとニック自身思ったのです。