今日は思ったより親父が臭くない。


わたしの部屋の隣は
弟と父が寝る部屋。

眠気とともに階段を上がると、
漂ってくるあの匂い。
わたしの部屋に近づくにつれ、
もんもんと漂ってくるあの、匂い。


なんだろうか、
何ともいえない
タバコのフレーバーと加齢臭が織りなすあの匂い。



臭い、匂い。






いつも
私は部屋が近づくと
息を深く吸い込む。
そう、匂いをチェックするため。

そのたび不快な気持ちに
させられるのだが。
だが、やめられない。
おそらく癖になってしまったのだろう。
ああかわいそうな私。




だが、今日は違った。


今日は空気を感じることができたのだ。

正直びっくりした。いつもの、
あの匂いを期待していたのだから!まさに裏切られた。
こんなこと、初めてではないだろうか。

清々しかった。


もう一度深く息を吸ってみる。
ああ。臭くない。
ああ。
私は感じてる。
感じてるよ、親父。
空気を。


臭くなくてありがとう。


今日はなんだかいい夢が
見れそうだ。








おやすみなさい。







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