『イメージの森の中へ〜モネ 水の妖精』

利倉 隆 2009年

シリーズ全12冊


「一歩足を踏み入れればそこには新しい発見とはじめての感動が待っています。」「前もって準備も知識もいりません。」

そう著者が語りかけてくれるように、絵画って綺麗だな…と作品を眺めている美術初心者の方にもとてもおすすめのシリーズ。

解説、絵画の見方がわかりやすく、驚きと発見の連続で是非全シリーズに目を通したい。


モネ1873年の作品「アルジャントゥイユのひなげし」では、モネの奥さんカミーユと息子ジャンと思われる2人が一つの絵に2回描かれている。著者によれば、ひなげしが咲く野原を2人がかき分け斜面を降りてきたのではないかと記されており、まさにその通りに見える。丘がなだらかに坂になっている様子、2人がかき分けてきた道筋が見えまさに発見と感動である。 光と大気そのものを描こうとしたモネ。見えないけれど存在する真実。


学生の時に見たゴッホのひまわりは、想像を超えた絵の具の使用量で、花びらの立体感に驚いた。また本物に出会いたいと感じる昨今である。