最近読み終わった本のご紹介。
「カプチーノ・コースト」
作者 片瀬 チヲル



パワハラが原因で休職している主人公の早柚。

休職中に、地元の海を掃除する事になり、そこからビーチクリーンをする人との交流を描いている。


読んだ感想としては、誰もがみんな何かの仕事をしていると思っている人って、確かにいるよなぁ…と。悪気があって聞いてくる訳ではないことは知っているけれど「何の仕事をしているの?」と。自分と重ね合わせて読んでしまったところが結構あるかもしれない。

また、ビーチクリーンをすると言ってきたバーベキューをしていた人達に、掃除用のゴミ袋を渡したところ、バーベキューで出たゴミも入れてしまっていたり…はっきりとした違和感はあるのに言い出せない主人公。私もそのような事を世の中で、沢山見てきたし、言えなかった自分もいた。おかしい事をおかしいと言えない空気。それってどうなんだろう。私は今は随分図太くなって言える様になってしまったのだけれど…


主人公は最後に思う。

「1日に1度でいいから、よかった、と呟けるような暮らしがしたいと思った。」

ハッキリとした結末もないけれど、人生は続いていく訳で、それでも行動をすると何かと出会うのだなということを思った作品だった。