薬剤師Rumiが薬学的観点から健康や医療に関するお話をしていくブログです。
いろいろな面でお役に立てたら幸いです🌟




前回は自律神経の不調には

感情が密接に関わっているとお話ししましたが、
その感情のバランスを整える

精神疾患に使用する薬について
お話しする前に


交感神経が活性化するしくみと
自律神経交感神経に作用する薬についてお話ししていきます。





それでは、
自律神経活性化する仕組みを
見ていきます。


自律神経
交感神経副交感神経の2つの相反する作用の神経から成り立ちますが、
その神経は脳🧠の視床下部から延髄、脊髄と伸びて
そこから各器官、臓器へと到達します。


脊髄から伸びた神経は
途中で神経節や副腎髄質を介してから
各器官、臓器へいきます。(下の図を参照)


⚠️ちなみに
体性神経系は脊髄から効果器・骨格筋へと神経が
直接到達します。
この時の神経伝達物資はアセチルコリン Ach です。

→骨格筋は脳からの素早い神経伝達が必要なので、
神経節は介しません。 








出典「ボディセラピーのためのトートラ標準整理解剖学」





上の図の交感神経副交感神経のそれぞれの
神経の伝達経路を簡易的に示したもの。

⬇️




《引用URL》

https://note.com/monukenokokusho/n/nd077ae3324ef







上の図に示してあるように、
交感神経は途中でアセチルコリン感受性の神経節を介していますが、

最終的に臓器や各器官に到達する時には
アドレナリンやノルアドレナリンを放出して
その臓器や器官を活性化させています。

つまり、




交感神経による各臓器の活性化には
アドレナリンやノルアドレナリン
が関与しています。




また、相反する作用の
複交感神経の活性化には
アセチルコリンが関与しています。



それでは
交感神経活性化すると各臓器はどのようになるのでしょうか。

簡単な概要図を下に示します。

交感神経の方の作用を見てください。




《引用》
MSDマニュアル家庭版



自律神経の乱れで起こる症状の中には様々なものがありますが、


上の図にもあるように、よく知られている体の反応に
交感神経が活性化(興奮)する事で血圧が上がる。 


という症状があります。 


それでは交感神経活性化すると血圧が上がる仕組みをみていきます。


交感神経における血圧が上がるという仕組みは



①心臓にある交感神経の受容体である
アドレナリン受容体=β受容体を刺激することで起こります。


β受容体が刺激されると
心拍数と心拍出量があがり、
血圧が上がります。



②また末梢血管の交感神経の受容体
アドレナリン受容体=α受容体を刺激することで起こりますが、
この仕組みは

末梢血管のα受容体が刺激されると
末梢血管が収縮して、
血流が悪くなり、心臓が拍出量を上げるために
血圧が上がります。


また血管平滑筋の部位によってはβ受容体があり、
血管を弛緩させます。


次の記事には
β受容体とα受容体に作用する薬についてまとめていきたいと思います。