ご無沙汰しております!
やっと!やっと!リヴァるの感想を書きます!!
ちょっと私生活でバタバタしてたのと、あと刀ステ当たらなかったショックで現実逃避してたので…1ヶ月近く前のことになりますが思い出しながら書いていきたいと思います。
相変わらずの散文です。
まず初めて行く会場にドキドキしました。そして迷いました。京王線と京王新線って別物なんですね。田舎者には厳しい。
いつも渋谷にある遮音性のないスタイリッシュな劇場とか、六本木の住宅街にあるライブハウスの改築みたいな劇場とか、そういう場所のほうが行く機会が多かったので、新国立劇場に若干の敷居の高さを感じつつ…駅から直結の便利な劇場だなと思いました。
鈴木拡樹くんを追っていて、まず行くことがなかった、る・ひまわりさんの舞台。2014年の年末に明治座で行われた、る典には行ったのですが、リヴァるのようなどストレートな演目を観に行くことが今までなかったので、観に行くまでは緊張で押しつぶされそうでしたね。
わたしが過去に観てきた作品は2.5次元と言われるものがメインで、水プロさんだったり、歴史シリーズだったり、どこかエンターテインメント性のあるものばかりだったので、役者が4人だけ、収容人数約400人の小劇場という、これぞストレートプレイだ!と言わんばかりの演劇を観るのは今回が初めてになりました。演劇のイロハも語れない、有名な演出家さんなのに過去作品を知らない、ただ、推しがストレートに出るというだけでチケットを取ってしまった自分は場違い極まりないのではないか…そういう心配はありました。
でも、演劇は深く考えずに楽しむんだという言葉に背中を押されて、当日はちゃっかり物販にも並んで、この空間にいることを楽しもうと思いました。いろいろ考えるのは観てからにしよう!と。
『僕のリヴァ・る』は兄弟をテーマにした三作品をオムニバス形式で上演するものでした。センターステージに浮かび上がる骨組みだけのセットと、必要最低限の小物。そして4人だけの役者。
座長は安西慎太郎くん。安西くんの演技を生で観るのはKステ以来2度目ですが、彼は2.5もストレートもこなせる将来有望な役者さんだなと思いました。三作品全てにメインで出てますが、どれも違った姿を見せてくれます。
一本目の人形を使った現代の兄弟、兄の太郎(安西くん)と弟の次郎(こばかつさん)。この安西くんがわたしは好きです。皮肉混じりに弟に敵意を剥き出しにするところが上手いんだなぁ…長女のわたしは太郎くんに感情移入しまくり。
弟という、父でも母でもない、もう一人の家族の存在に戸惑いながらも、本能的に弟を助けてしまうのが兄というもの。子育てに不慣れなお父さん(拡樹くん)に対して、兄弟への接した方を説いてくれるおばあちゃん(山下さん)という、日常の一コマを切り取ったような会話劇が面白い演目でした。
二本目はゴッホ兄弟の話。兄のフィンセント(拡樹くん)と弟のテオ(安西くん)は言わずもがな舞台Kの伏見猿比古役を経験した二人です。そうです。この二人が兄弟をやると聞いて楽しみにしてました。
2.5次元舞台とは違うけど、有名画家の生涯を演じるということで、憑依型と言われる拡樹くんは、まぁ見事にフィンセントを憑依させたなぁと。素人の私はそう思いました。痛々しい。自分の人生には絵を描く時間が残ってない、急がねばならない。という葛藤。ゴーギャン(こばかつさん)とのやりとりは圧巻でした。ゴーギャンの助言を受け入れられずに取り乱していく姿を見て、良い意味で「常人にはわからない」と思いました。フィンセントにしかわからない苦悩があって、それをわかってあげられなかったから、あの最期(自殺?)だったのかなと。
テオは兄を愛しているが故に援助を続けていて、でも、兄と一緒にいることで自分が壊れてしまうことに悩んでいて…ゴーギャンにこぼした本音に胸が苦しくなりました。なにもしてあげられなくてごめんね…安西くん……
三本目は盲目のジェロニモと、その兄カルロの話。小説がモチーフ。原作は読んだことありません。でも実際に観劇して、私はこの話が一番好きだなと思いました。
兄のカルロが幼い頃に弟のジェロニモを失明させてしまったことで、兄は弟を献身的に支えていくが、貧しくて住むところもなくなってしまい、ジェロニモが路上で歌ってお金をもらうという生活。ジェロニモの歌のパートが日替わりだったらしく、私が行った初日はEXILEのLovers againでした。ふっと息抜きができるところで大好きです。まぁ、そんなジェロニモの歌でもお金は稼げず。
そこへ謎の男(拡樹くん)がやってきて、兄弟の仲を引っ掻き回すようなきっかけを与えていきます。「お兄さんに大金(10フラン金貨だっけ?)を渡したよ」と。
しかしカルロは金貨なんてもらってなくて、金貨を見せてくれと言ってきたジェロニモの要求に答えられなかった。ジェロニモはカルロへの不信感で積もり積もった今までの不満が爆発し、兄弟分裂の危機に。
ついにカルロは、宿泊先のホテルの客室から金貨を盗み、それをジェロニモへ渡します。これで一件落着かと思いきや、憲兵に問い詰められ、カルロは自白する…というお話。起承転結がしっかりしてて、とてもわかりやすかった。でも最後はふんわりとした、見る人の数だけ解釈が分かれそうな、そういう終わり方だった気がします。
ストレートプレイということで。今回は小林且弥さんの存在感がすごかったです。抜群に上手い。あくまで自然に、日常に溶け込んだお芝居で、小劇場での立ち方を知ってる人だなと思いました。特に三本目のカルロ、表情の変化が秀逸です。
その点、拡樹くんはストレートプレイが出す「生っぽい」芝居とは少し違くて、演劇してます!みたいな、はっきりとしたわかりやすいお芝居をする人だなって。2.5次元もそれなりに数をこなしているから、なんとなくお芝居がそっちに寄ってるのかな?と。それでもグッと人を惹きつけるお芝居は相変わらずで、ストレートプレイの鈴木拡樹を見るとこができて良かったです。
安西くんはストレートでも2.5次元でも、どちらにも転れそうな、まだまだ先が期待できる若手俳優だった。上手い。20代前半の俳優さんはたくさんいるけど、その中でも頭一つ抜けてるんじゃないの?ってくらいの安定感。彼がアラサーになったらどんな芝居をするのか楽しみである。
唯一の女性キャストだった山下さんは、幼い孫を持つおばあちゃんだったり、画材屋さんだったり、バーのママだったり、いろんな場面で登場していて、その度に山下さんの纏う空気が違う。コミカルもシリアスもできてフットワークの軽い素敵な女優さんでした。
僕のリヴァ・る…初めて観劇する本格的ストレートプレイでした。ひとつひとつの話に対して、補足の説明なんてありません。観た人のフィーリングに任せます。そんな舞台でした。観劇後、しばらくは舞台上の役者さんの表情が頭から離れなくて、こんなに「作品そのもの」に没頭したのは初めてだなと思いました。これは普段見てる2.5次元とは違いますね。
完全に持論なんですけど、2.5次元舞台って、キャストが発表されて稽古に入って、そこから上演が始まってるんです。日に日にキャストたちが仲良くなっていく様子、作品が出来上がっていく様子を背景に見ながら本番も舞台上を見るので、役者個人の影がちらつくんですよね。見守ってる感覚です。2.5次元はカンパニーが組まれて解散するまでがひとつの作品だと思って見てます。
「私が思う2.5次元舞台」は話し始めたら長くなりそうなので切りますね!
2016年は、もう頭からノラガミとリヴァる、正反対の作品を観てきました。これからどんな作品と出会えるのか楽しみです。
