いよいよ 手術の日が来た。

 

 待ちに待った手術だが、リスクは数々ある。

 肺が弱って 呼吸が浅くなっているところへ麻酔を打てば、

場合によっては息ができなくなり、そのまま死んでしまうこともある。

 術後の感染症で死んでしまうこともある。

 ありとあらゆるリスクは 大学病院の先生がきちんと説明してくださった。

 

 だから もし、猫が死んでしまったら 全て私の責任だ。

 手術することを決めたのは私なのだから。

 

 リンパ液を止める手術は

1、胸管結紮   2、心膜切除   3、乳び槽切開

そして、リンパ液を引くための  4、ポートやドレーン等の設置

 

この4つをやっていただくのが良いと思う。

 

 

 うちの猫の乳び胸は 胸管のどこかが破けて リンパ液があふれ、

胸腔に溜まり、肺の膨らむ場所を奪って 呼吸困難を起こしていたわけだが、

胸管を縛ってしまえば、どこが破けていようと

元を縛ってしまうのだから、リンパ液の流れを止められるというわけだ。

 

 心膜切除は心臓の周りの膜をはがす手術だ。

 心膜は炎症で厚くなっていることが多い。

厚くなった心膜によって、静脈圧の上昇やリンパ液の流入障害を起こし、

乳びがにじみ出るのを予防する。

 

 乳び槽切開は 乳びの溜まる場所である乳び槽を破壊する。

胸管結紮後 リンパ管内圧が上昇し胸管の側副路が形成されることがあり、

再び胸腔内に乳びが貯留する場合がある。

 これを防ぐ為に乳び槽を破壊して腹腔全体でリンパ液を吸収できるように備えるものだ。

 

 

 今 改めて文章にしてみると 大変な手術をしていただいたのだなぁと思う。

 

 

 「13時30分に手術は終わりますので、受付に戻ってきてください。」

 「よろしくお願いします。」

 「頑張るんだよ。」

 

 猫を預けた時

 手術が無事に終わって 「よかったね!」と言っているイメージだけがわいていた。