ミラノとソノーニョ村(最終回:ソノーニョ村編) | キリエ館店主のブログ

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「ロミオの青い空」アルフレドの魂を導く旅、ソノーニョ村編。

 

ねぇ、アルフレド。

ロミオの村は、とても綺麗だったよ。

 

今回で、いよいよ最終回な旅ブログ。

ロミオの故郷であるソノーニョ村の旅について記します。

 

【29話:永遠のアルフレドより】

「ね、アルフレド。冬が終わったら、ふるさとへ帰れる。そしたら、ビアンカと一緒に、僕の村へ来ないか?ソノーニョ村の春は、とっても綺麗だよ。」

『お兄ちゃん!ホラ、お花がこんなにいっぱい。こんなに、いっぱい!』

「そうしよう、アルフレド。春になったら…」

(苦しそうに教会の椅子に体を預けるアルフレド)

「…ッ、アルフレド!!」

(かけ寄るロミオ)

「やっぱり、やっぱり病気がまだ治ってなかったんだ。待ってて、今カセラ教授を呼んでくる!」

「ロミオ、行かないでくれ。ここにいてくれ、僕のそばに…お願いだ。」

 

「ロミオの村は、綺麗だろうな…でも、もういかなくちゃ…ならない」

「行くって…どこに?」

「父さんと母さんの側に。…召されるときが来たんだよ。」

 

そんなの、そんなの…嘘だ、だって約束したじゃないか!!

大人になったら、一緒に夢を叶えようって。

早く大人になりたかった、彼。

大人になれなかった、彼。

 

美しい最愛の友の村へ、遊びにゆくことすら叶わなかった。

 

バスを降りて直ぐ。

黄色い花の咲く、お花畑がありました。

アルフレドが、朦朧とする意識の中、幻想でみたお花畑にも黄色花が咲いていました。それを知っていたから、この花を見たとき、ごく自然に涙が出てきました。(ここが、ロミオの村だよ。…アルフレド。遂に、来たんだよ。君が、みたかった景色だよ。)と心の中で呼びかけたら、アニメのビアンカの台詞が鮮明に蘇ってきて、彼女がここで花を摘む姿すら具体的に想像できるようで、すごくすごく切なかった。

アルフレドが、訪れたかった場所。

みたかった景色。

天気にも恵まれ、怖いくらいに美しい山岳と渓谷。

 

これから、ロミ空ツアーの決行を考えている方々への道しるべ。

 

ミラノ中央駅では、券売機ではなく有人のチケット売り場にて切符を購入することをオススメします。価格は、片道2等席で26€でした。(ミラノ中央駅~テネロ駅/ロカルノ~ミラノ中央駅:33スイスフラン)発券後、乗車ホームで切符のバーコードをかざす機械があります。それが、日本の改札口に相当するかと思うので、ここでの打刻がないと電車内の駅係員に注意されます。(※場合によっては罰金?ただ、帰りのロカルノ駅では、その機械を発見できずに、そのまま乗車。普通に駅員さんが車内確認の時に、カッチャンと切符切ってくれた)日本と違い、この切符では、どの時刻の電車に乗車しなければならないという時間の制限がないので、この打刻が必要なようです。行きの電車で、どうやら切符を買い間違えている方がいらっしゃったようなのですが、駅員さんがその場で正しいチケットを発券してくださっていました。(※この計らいは個人差があるのかな?)

 

テネロ駅にゆくにはミラノ中央駅でベリンツォナ行きの電車に乗ります。そこから、上手いこと乗り継ぎ(Google先生参照)をして、テネロ駅もしくはロカルノで黄色の321番ソノーニョ村ゆきのバスに乗ります。ロカルノからソノーニョ村まで、バスで約1時間。片道8.80スイスフラン(※ユーロが使えるかは不明)でした。バスは、90分に1本くらい。また、12時15分から発車後、15時までお昼休みなのでソノーニョ村からのバスはありません。バス停に発券機もありますが、運転手さんから直接購入することも出来ます。

ミラノから電車で1時間程ゆくと、景色は街並みからすっかり山々や湖へと表情を変えます。最初、ルガノ湖をすっかりマッジョーレ湖かと思っていました。

バイク乗りのマットも言っていたけれど。こういう山岳は、写真にするとスケールが全く伝わらない不思議。すごい大きさなんですよ。ホントに圧倒される。

 

電車の中でもバスの中でも、こんな土地からルイニさんは良く子どもたちを買ってミラノまで連れて行こうと思ったな…と考えていた。すっごい時間と労力だよ。それを差し引いても「儲かる仕事」だったということなのでしょうか。こんな景色の中で育った子たちが、あのミラノに売られてゆくのか…もう、なんて表現したらいいか分からない。確かに、ドゥオモは大きくて美しい。けれど、こんなスケールではない。当たり前だけど、凄さのベクトルが全く違う。

村に、ひとつのあの教会。

ロミオが、毎朝鐘をつきに行った教会。

定刻通りに毎時、鐘が鳴ります。

ロミオみたいな子が鳴らしているのかな…と塔に通じる扉の前を、無駄にウロウロしていました。

内装は、なんだか新しい感じ。

15時までのバスを待つ間、この教会で持参した文庫「黒い兄弟」を読んでいました。ただ、スイス…というか、ソノーニョ村が寒い。マフラーと手袋を装備していましたが、秋のお洒落ジャケットとデザイン重視の薄手靴下では、底冷えする寒さでした。あまりの寒さに、捧げられた蝋燭で暖をとる始末。

ソノーニョ村は、なかなかの観光地で。

トレッキングコースの入り口なのかな、とにかくバスの乗車率も高く、みなさましっかりした山岳装備でいらっしゃいました。村の広場にある小さなMuseoでは、どうやらソノーニョ村が小説に出てくる旨も展示されているらしいです。月曜日の訪問だったので、この日はお休みでした。

探してみると、煙突掃除夫のアレコレが。他にも、食堂の暖炉上に人形が飾られていました。

昼食は、ポモドーロを注文。すごい量だったのですが、空腹と冷えせいでペロリと完食。パスタが、とても柔らかかったので「???」となったのですが、調べてみたら北イタリアやスイスの方々は、アルデンテではなく、柔らかく茹でるのが普通のようです。また、塩味が少し足りないな…と思ったら、削り出されたばかりのパルメジャーノチーズが山ほど一緒に出てきました。それを振りかけると、ちょうどイイお味。他、バケットと美味しそうなバターも付きましたが、さ…さすがに。(※お代:パスタ14フラン/炭酸水2フラン)

 

レストランでは、英語が堪能なマダムがいて、支払いはクレジットカードも対応していたようなので、ひょっとしたらスイスフランを用意する必要なかったのではと思った次第です。

 

11時30分くらいに村に到着して15時くらいまでの3時間半。

ソノーニョ村でやることがなくなりました(笑)

ひつじ君たちに近寄ろうとするも、物凄い警戒心でこちらの動きを観察してくるので申し訳ないから遠くから眺めることに。

鳥小屋を覗くも、彼らも警戒心が強くて、直ぐ奥に逃げて行ってしまう。村の上から下まで、下から上まで4往復くらいしたけれど、1往復に20分かからない。そして、何より寒い。

 

お天気はいいのですが、何せ山深くてですね。

あっという間に太陽の光を山がさえぎって届かなくなり、どこもかしこも日陰だらけ。日向へゆくには川を越えるか、崖を下るかみたな選択肢になってきます。トレッキングコースを歩いてみようかな…と少し進むも、あまりに人気がなく、もしも迷子になったり、崖から転落など不慮の事故にあったら…失踪案件確定です。その前に僕がいなくなったことすら、だいぶ日が経たないと誰も気づかないという。(あ、ホテルでチェックアウトしなかったら気づくかな。でも、ホテリエたちにはロカルノにゆくとしか伝えていないので、現地では誰も僕がソノーニョ村まで足を伸ばしていると知らない)

 

ようやく、15時のバスに乗車すると、温かさに安心したのか、電車駅までの1時間の内にウトウトしてしまい、テネロ駅前で降り過ごしてしまいました。しかし、これが幸運で、少し乗るとロカルノへ到着。このバスが、ロカルノへゆくと知らなかったので、すごく嬉しかった。

 

大勢の観光客の皆様と一緒に降車し、いざマッジョーレ湖へ!!

ひっろーい!!!!!!!

こんな大きな湖に嵐の中漕ぎだすなんて…ルイニさん、本当に死神。船は、どのあたりで沈没したのだろう。僕は、泳げないわけじゃないけれど、この湖を途中からでも泳ぎ切れるかと言われたら、全く自信ないな。泳げないアルフレドは、本当に本当に怖かっただろうな。

 

ロカルノは、リゾート地らしく。ソノーニョ村とは違い、とても温かく街は賑やかで活気に溢れていました。やっぱり、ロカルノ観光の時間も設けるべきだった…。けれども、旅行最終日ということもあり、本当に疲弊していたので、ミラノへ戻ることに。

 

ミラノについたら、19時半を過ぎていました。

ホテルに戻ってホテル近辺のスーパー(カルフールエクスプレス)で夕飯を調達。ラストサパーを重たい瞼をこすりながら済ませ、就寝。

翌朝、驚くほどシャッキリと目が覚めたので、朝食後また「Parrocchia Corpus Domini - Padri Carmelitani Scalzi」へ。(※睡眠の質を高めるために、着なれたパジャマと加圧靴下を持って行く事を推奨します)

 

サヨナラなんて言わないよ。

また、会おう…ミラノ!!!!

本当の本当に、素敵な旅でした。

道中、なかなか大変な事もありましたが、概ね順調で素晴らしい経験をしました。今回、ひとり旅が初めてだったのですが…また、旅に出たいと強く思いました。

 

最後に。

現地でのツイートに心温まる励ましのリプライをくださった方々、勇気の炎となるハートを飛ばして下さった皆様、本当にありがとうございました。心強かった…ッ

 

そして、こんなにも魂で楽しめる旅に出るきっかけを与えてくれた「ロミオの青い空」という作品に出会えた事、生み出して下さった方々がいて実際にお逢いでき話が聞けた事、今でも一緒に語らえる仲間がいる事、全ての幸運に感謝いたします。

 

この旅で得た煌めきを、きちんとキリエ館に還元してゆくからッ

お楽しみにね!!