ラグビーパークに2年ほど通うAくん。
ある時、所属スクールの試合で緩慢な動きを繰り返すAくんに、お父さんは、「やる気がないならラグビーパークを辞めさせる」と告げました。
お父さんの宣告ももっともで、ラグビーパークは、ラグビーに対する意欲が全然ないのに無理して続けるような場所ではありません。

でも、Aくんは、意欲を失っているわけではありませんでした。
「辞めたくない!」というAくんの涙の抗議、懇願に、お父さんは気づかされます。

パークのコーチからも、「高学年になって体のサイズが成長してきたことに対し、筋力が追いついていないために動きが悪くなってきている」という、この時期特有の状況についてご説明させていただきました。

一度は退学を申し出たお父さんでしたが、ご丁寧なお手紙とともに、退学願いを撤回されます。
お手紙には、「Aくんがまっすぐな気持ちをぶつけてきてくれたこと、それによってご自身の間違いに気づかれたこと、Aくんのためにベストを尽くしていきたいこと」などが書かれていたように記憶しています。

子どもの気持ちをよく考えずに退学を強制しようとしてしまったことに対し、素直に過ちだと認め、考えを改められたその態度、、、大人になるとなかなかできるものではないし、お子さんに対する深い愛情を感じました。

その後、親子二人三脚での、体力向上の努力が始まります。
大きくなった身体でも自由に動かすことができるように、親子で毎日のランニングを開始したのです。

Aくんの体力は徐々に向上していきます。
お父さんが常に寄り添い、少しずつ距離も伸びていきます。

あれから約1年が経ちました。
今では、神奈川県下でもトップクラスの機敏な動きをする仲間たちの中にあっても、しっかりと自分の存在感を示し、果たせる役割もどんどん増えてきています。
自信もついてきて、プレーの幅もとても広がってきました。
あのときのAくんの気持ち、そしてお父さんの決意、そこから始まった二人の努力、、、そのすべてが今につながっています。


前置きが長くなりました。
実はここからが本題です。

そんなAくんのお父さんが、今回、大人パークに申し込んでくださいました。
ラグビーは未経験のお父さん。
「息子が日頃どれだけ頑張っているか、同じ体験をすることで、少しでも理解できればと思い、エントリーさせていただきました」とのことでした。

涙が止まりません。。。
Aくんは本当に幸せですね。
他にも、多くのお父さんお母さんから、同じようなお気持ちを感じています。

【大人パーク】という企画を行うにあたり、このような、温かく、深いお気持ちに触れさせていただけるということは、想像していませんでした。
改めて、保護者の皆さんのお子様に対する深い愛情を目の当たりにして、コーチとして、身の引き締まる思いです。
決してかないはしませんが、皆さんの愛情に少しでも近づけるよう、努力しながら、子どもたちに向かっていきたいと思います。

(林)

$Rugby Park Japan 【リポート】

※この話は実話ですが、より伝わりやすいように、一部デフォルメして表現しています。