前回、心の中身を整理すると、「競技意欲」「精神の安定・集中」「自信」「作戦能力」「協調性」の5つに分類することができることを述べました。

自己分析の結果、問題のある心理的要因が明らかになると、その要因を修正するためのメンタルトレーニングを実施します。心を鍛えるメンタルトレーニング手法のことを心理的スキルトレーニング(PST)と呼びます。

心理的スキルトレーニングには、目標設定、リラクセーション、サイキングアップ、イメージトレーニング、集中力トレーニング、プラス思考(ポジティブシンキング)、セルフトーク、ルーティン、心理的準備(コンディショニング)などがあります。

ここで注意してほしいのは、目的に応じた心理的スキルトレーニングを用いるということです。風邪をひいて熱があるときに、目薬を差しても効きません。熱を下げるには、解熱剤や風邪薬を飲みますよね。

心も同じです。

症状によって適切な心理的スキルトレーニングは異なってくるのです。

大まかな対応を説明します。

競技意欲:目標設定、サイキングアップ、イメージトレーニング

精神の安定・集中:リラクセーション、集中力、ルーティン、セルフトーク

自信:プラス思考、セルフトーク、イメージ、目標設定

判断:状況判断トレーニング、知識の習得、イメージトレーニング

協調性:チームビルディング

身体のトレーニングにも、心のトレーニングにも共通することですが、目的に応じたトレーニング方法を行わないと、十分な効果を得ることはできないのです。