麦わら帽子の飛んだ先
「雄大な自然が見たい。」
Nao'ymtが呟いた。
はいはい、それじゃ行こうか。
2週間前の静岡に引き続いての夏旅行第2弾に行ってまいりました。
前回は男二人の温泉旅。流石に2回続けてそれはどうなんだ?という話になり、今回はRuff Dueクルーで時間の取れる連中を誘い、総勢5名で草津温泉に行って来ました。
観光地らしい観光地ってのも良いものです。
湯畑や、ちょっと猥雑な温泉街。写真の草津白根山など。王道コースを進みました。
静岡の時にも少し書きましたが、我々RuffDueは行き当たりばったりが基本。白根山から降りた後、地図を見ながら行き先を決める事になったのですが、今回僕はどうしても行ってみたい所がありました。
私事なのですが、数年前に嬬恋村という所で働いていた事があります。
嬬恋村は全国的にも有数のキャベツの産地です。
迷いだらけだった若かりし頃の僕は、体を使ってお金を稼いでみたいと思い二ヵ月半限定のキャベツ収穫アルバイトをしたのです。
起床は朝4時前。午前中一杯で収穫をし、昼食と昼寝を挟んで、午後は消毒や草刈り作業を日暮れまで。
テレビも無ければ携帯も通じない。寝る前に2時間くらいある自由な時間には延々と本を読む。極めてシンプルな生活でしたが、本当に今でも良い思い出なのです。
草津温泉から車でそう遠くない場所。観光地ではないので皆を連れて行くのは少し気が引けたのですが、こんな機会でないと中々行く事も無いので、行かせてもらう事にしました。宿で貰った大雑把な地図を開いて進んだのですが、これが迷う迷う。五人の内で唯一この辺り地理が分かる僕は徹底的な方向音痴。右だ左だUターンなんてやっているうちに、ようやくキャベツ畑が見えてきました。
少し進むと道路脇に野菜の即売所がちらほら。
僕は車を降りて道を聞こうとその内の一軒で店番をしていた年配の女性に声を掛けました。
「すいません、実は昔キャベツ畑で働いていたのですがちょっと訪ねてみたいと思いまして、、、大体どの辺になるんでしょうか?」
「あらー、そぉう!よく来たわねぇ。 多分、田代辺りじゃないかしら」
「そうですそうです!、田代って地名でした。」
「田代のキャベツストリートはねぇ・・・・」
キャベツストリート?そんな言い方をしただろうか?少なくとも僕が働いていた時にはそんな言葉を聞いたことは無かった。まあ何年か経てば変わる事も有るんだろうな。
「田代のキャベツストリートはねぇ、この道をストレート、ストレートね。」
断っておきますが、僕は思いっきり日本人顔です。
さらにこの方、妙にストレートの発音が綺麗なんですよ。だから書き直すと、
「田代のキャベツストリートはねぇ、この道をStraight、Straightね。」
「あっ、えっと、この道を真っ直ぐ行けばいいんですね」
「そう、Straight、Straight。」
「分かりました、行ってみます。」
「うん、Straight、Straight。・・・・右。」
えっ?
もう何だかよく分からん。
最初は道を聞くだけにしようと思ったのですが、その話し方と笑顔が余りにも可愛いので思わず財布を出して朝採れキャベツを一つ購入。
こんな出会いも旅の醍醐味。
何とか辿り着いた先では、僕が当時住み込ませてもらっていたお宅のご夫婦にばったり遭遇するなど嬉しい事も有りました。
自分勝手な思い出巡りに笑顔で付き合ってくれたRuffDueクルーにこの場を借りて感謝。
帰り道、碓氷峠のカーブを回った先で急に眼前に現れたレンガ造りの眼鏡橋。
ひぐらしの鳴く声と水の流れだけが響く中でその巨大な橋を見ていると、段々現実感が乏しくなっていった。
あの恐怖にも似た荘厳さが頭から離れない。
