2月のライブのMCで話して、そのまま書き忘れてたけど、思い出したし暇なんでこのブログに先日起きた出来事を記すことにする。
2月14日(金) 夕刻
週末の解放感にチョコの薫りが相まって、仕事中といえどもなかなかの爽快感だ。
シャッフル再生のウォークマンを繋いだカーステからは爆音でGLAYのBELOVED。
歌詞は当然そらでも歌える、我ら世代の曲でカラオケレベルの熱唱をしながら営業先から会社へ車を走らせていた。
会社にすぐ近くの幹線道路にて、目の前の鉄骨を積んだトラックの運転の様子がおかしい。
とにかくトロトロ、そして走ってる右側から左側に車線を変更したいのか、ウインカーを出しては消して、なのに左車線が途切れても車線を変更しそうでしないのだ。
こんなのはよく出くわすことなので、曲がる交差点を迷ってるんだろうなぁとか、スマホでも観てるんだろうなぁと、
後ろにいるのもアレだったんで、私が左から抜いてしまおうと車線を変更した直後、目の前のトラックもタイミング遅れて無理な感じで目の前に入ってきたのだ。
まぁでも、こんなのもよく出くわすことなので、サラッと自分はまた右車線に戻りつつ、スマホでも観てるのかな?と思い、追い越し際に何の気なしにトラックの運転手の顔を観た。
一瞬のことなのであんまり覚えてないが、スマホは操作してなさそうだった。
この間、もちろん私はBELOVEDを熱唱し続けている。
そして幹線道路から左折し、すぐのところにある会社の駐車場に着いたとき、後ろからトラックが追いかけてきて停車したことに気がついた。
駐車位置の調整をしており、私が車を降りるより早く、トラックからはヤンチャ上がりぽいガテン系の若い兄ちゃん2人組が降りてこちらに歩いてきた。
即座に思ったこと。
(あぁ、施工業者さんか。)
ここのところ、うちの会社では社屋の補強工事を毎週末に行っており、夜から工事をしているため、その業者さんが早めに来たのだろうと思った。
対応してやらねばと思い、運転席の窓を開けた。
が、
「おい!お前何観て運転してんだよ!」
?
はて?
最近の業者はトチ狂ってるのか?
そう思ってすぐ、
(あぁ、さっきの下手くそか!)
と気がついた。
「ーーーんだよ!」
「ーーーか!?おい!」
などと矢継ぎ早に言ってくるが、爆音のGLAYがかき消しなかなか聞き取れない。、
エンジンをかけたまますぐさま車をおり、
「どうしたの?」
と、問いかけながら、2人を観察した
(あぁ、やっぱりさっきの運転手か、もう1人は助手席にでもいたのかな?)
運転していた方はとにかく息巻いてキレている感じだ
ここから彼のことは、ヤンキー1=ヤ1
もう1人は「やるか?ん?やる?」という言葉が9割の囃し立て系ヘラヘラヤンキー
ここからは彼のことは、ヤンキー2=ヤ2
絡まれておいておかしなことを言うが、そこまで悪い人たちの目をしてないように感じたが、ヤ1はとにかくキレていた。
ヤ1「どうしたの?じゃねぇだろ!
てめぇ追い抜き際に俺の顔ガン見しながらスゲェ顔で思いっきりなんか言ってただろうがよ!」
ヤ2「ん?やるか?」
はぁやはり!理解!
追い抜き際に確かにヤ1の顔を観た。
だが、なにも言ってはいない。
そう!
私はGLAYのBELOVEDを歌っていたのだ!
それも全力で!
そして薄っい記憶だが、たぶん追い抜き際が最後のサビの
「いくつかの出会い いくつかの別れ 繰り返す日々は続いていく」
の部分だった!気がする!
曲のなかで、高音的にもブレス的にもどうしたって、例えTERUであっても必死の形相でないと
歌えない部分なのだ。
当然歌っているから口は動いているわけで、追い抜き際に一方的に激しく罵倒されたと思ったのだろう。
自分の脳内であまりに気持ち良く、今のこのアンジャッシュの勘違いコントのような現状を理解した私はすぐさま言った
私「確かに観たわ!だがなにも言ってない、
歌を歌ってたんだ!」
眉間のシワをさらに深くしたヤ1
「わけわかんけぇこと言ってんなよ運転しながらあんな顔で歌ってるやつなんかいねぇだろ!」
合いの手のごとくヤ2
「やるか?一緒に向こう言って、なぁやるか?」
はぁーなるほど、確かにそんなやつはあんまりいない
が、
わたしという人間がいるのだ、ここに!
・全力で歌を歌いながら運転席をチラ見した私
・追い抜き際にとんでもない形相で睨みを聴かしながら文句を言われたと思っているヤ1
ここに、ひとつの矛盾が生じた
ここから事実を唯一知ってる自分としてはなかなかにもどかしい水掛け論
ヤ1「喧嘩売ってきただろうが!窓閉めたままよ!」
私「喧嘩売ってねぇよ、歌歌ってたんだよ!」
ヤ2「もういいからさ、やるか?」
私「やらねぇよ、歌歌ってたんだよ!」
引かない両者
私は些細ながら、
(なんでこいつここまで引かないんだ、、)
というヤ1、2の、空気を感じた。
それはそうだ、
こっちだって気持ち良く歌って週末を終えようとしてるところを絡まれているのだから。引くわけにもいくまい。
あ、そうだ
と思い、エンジンをかけたままの車のドアを開けた。
カーステからはそう、爆音でGLAYが流れ続けていた。
曲はシャッフル再生により『サバイバル』に変わっていた。
おーまさにいまこの状況じゃないか、DJ選曲バッチリですね!
爆音のGLAYが当然ヤ1、2の耳にも届いた。
その瞬間確かに観た。
ヤ1の
(あれ?こいつマジでGLAY歌ってたんかな?)
という表情を
相変わらずヤ2の方はヘラヘラしているが、
そこでこの話をしていても先がないと思ったのだろうか、
ヤ1は攻めの手段を変えてきた。
「お前と話してても埒が明かねぇ、会社の代表出せよ!どれが会社だよ!」
そう、この手法はもう卑怯物ヤンキーの手法である。
因縁をつけて家族、友達、彼女、学校等に手を出しかねないぞ俺たちは!
という類いのアレである。
わたしはいささかガッカリした。
ヤ2は嫌いなタイプなのでともかく、ヤ1は熱くなってるだけで冷ませば会話になるのでは?なんて思っていたのに、これだよ。
ガッカリした表情を観たヤ1は間をおかず
「ほら会社まで連れてけてよ。乗り込んでやるよ」
等といってくる始末。私が追い込まれてると判断したようだ。
一方ヤ2は若干それには乗り気ではない様子。
それはそうだ。こんなのは脅しで、なんならヤ1も自分なりの機転で言っているだけなのだから。
コンマ何秒、思考を巡らせた結果、こちらも間をおかずしてでた答えは
「おけ!案内するよ!」
固まったその場の空気。
その瞬間の私の思考とは、
わたしは自分の会社及び代表が大嫌いである。
その時期はまたいろいろあって、輪をかけて陰鬱な気持ちで働いていた。
そこで受けたヤ1の提案、
ヤンキーvs弊社
これは良い!
たまに少年マンガなどである、敵と敵が戦う展開に近いだろうか、
潰しあってくれるのならなおのこと良い!
社屋を指差し
「あれがうちの会社だ。行こう」
言いながら歩き始めた。
が
ヤ1、2ともに駐車場から動かない
私「ほら、あれが会社だよ、行こう」
ヤ1「、、、行く前にしっかり謝ってからじゃねぇのか!」
私「いや、何も言うことはない。会社に行こう」
ヤ1「いや、待てお前!」
それでもついてこないヤ1、2
こうなっては端から観た構図としては、私一人が乗り込むことに意気込み前を歩き、ヤ1、2が止めようとするという状態。
ついてこねぇんじゃ埒があかねぇ、駐車場に戻る。
ここからはまた水掛け論だが、ヤ1が期待していた展開通りに動くはずが180度違う展開になったためか、彼らの水掛け論の水にはもう先ほどの勢いはない。せいぜいプールとかで手でやる水鉄砲がうまいやつほどの水だ。
それにしたってヤ2は相変わらず
「もういいけどさ、やるか?」
の繰り返しだ。
彼はゼンマイ駆動かなにかか?
私「ハッキリいうけどな、やらねぇよ。やるわけがねぇよ。
毎日鉄骨運んだりして体大きい君たちとおれがやって勝てるわけねぇだろ?ましてや2人で。
君らとはやる前から勝負ついてんだわ」
どうしたってそうだ。
まぁ良い試合がしたいのか、一方的にぶん殴りたいのかわからないが。
わりとこの一言で彼らは悟ったようだ。
私に絡み続けても本当に終わりがないことを。
何故ならってこちらとしても
金曜に気持ちよく歌って運転していたところで、急にがたいのいい男2人に絡まれているのだ。
これはあやまるどころか、奪われたTERUの気持ちを返してほしいぐらいだ。
私「それよりほら、会社、行こう!」
ヤ1「行かねぇよ!
金曜のクソ忙しいときにお前みたいのと時間使ってる場合じゃねぇんだよ」
そういってヤ1はゼンマイ男を連れてトラックに戻っていった。
去り際の彼に、最後に大人の余裕を伝えた
私「勘違いさせて悪かったな!」
ヤ1はトラックのドアを閉めた後、窓を開けて言った
「その一言!!」
これにて、完結。
これは、ウイルスが飛び交い始めた頃の平和な日常のワンシーンだ。たぶん彼らも、なにかしらの影響を受けているのだろう。
今となっては、つい1ヶ月前のこのスレ違いコントでさえ懐かしい。
またこんな日々が訪れるように、いや、こんなのは嫌だけど、
最後にやりたがりのヤ2に対して、言おうと思ったけど言わなかった言葉を添える。
「おれがやるのは、ライブハウスのステージだけだ。そんなにやりたいなら観にこいよ。」