地下アイドル、オリコン高順位のカラクリ ○ | 地下アイドル業界漆黒の闇

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そこそこのメジャーレーベルからメジャーデビューしている某地下上位のアイドルグループは、新譜のCDをリリースすると毎回オリコンデイリーランキングトップ5、ウィークリーランキング10位以内という高順位を獲得する。

 

アイドルや地下アイドルに疎い健全な一般大衆から見れば、著名なトップアーチストが居並ぶランキングのトップ10に食い込むとはあっぱれと思うかも知れない。しかし、そこにはカラクリがある。

 

例えば、デイリーランキング3位~6位の場合、リリース日当日の他グループ及びトップアーチストのリリース動向に大きなエポックがなければリリース日までにおおよそ20,000枚~30,000枚程度の予約注文を獲得すればほぼ可能だ。

 

また、ウィークリーランキングはディリーランキングの枚数に加え、リリース日から一週間の販売枚数を加算して決定されるため、リリース後も一週間は継続的なプロモーションを実施する必要がある。常にウイークリーでトップ10内に入る先述の某地下アイドルグループの場合、リリース後の一週間の販売数も含め、トータルでおおよそ25,000枚~38,000枚といった数字を積み上げトップ10入を果たしている。。

 

この数字を多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだが、地下アイドル的な尺度で見ればこの数字は天文学数字である。なぜなら、流通を通さずライブ会場での手売りが主流の地下アイドル業界では、頑張って積み上げても1タイトルあたり1,000~3,000枚が限界だからだ。要は"一桁違う"ということ。この数字を達成することは地下アイドルにとっては極めて敷居が高いことなのである。

 

では、くだんの某地下アイドルグループはどのような手段を使って"天文学的"な販売実績を実現しているのか。それはずばり徹底的なオタク教育である。

 

コロナ禍以前、このグループはリリース前に平均で25回のリリースイベントを行っていた。

 

リリイベは同一会場で2回しというのがデフォルト。CD一枚の購入(予約)につき特典券一枚がつく。このグループの場合、特典券一枚で握手、2枚で2ショットチェキ一枚(サインつき/トーク30秒)、3枚でメンバー全員との全チェキ(サインはメンバー一名のみ)となってるので、オタクは最低でも2枚は予約する。2回回しだと最低4枚の購入となる。しかし現実はその数はもっと多く、特典系でループするオタクはメンバー分、そのグループの場合、メンバーは5名なので、とりあえず5人分で10枚予約、さらに推しも平均3回はループするので最低でも6枚、計11枚は予約する。このグループの場合、ガチ恋オタクが多いので、基本この11枚がリリイベ一回の一人単価のデフォルトとなる。

 

リリイベ一回あたりの来場者の平均は会場により異なるが約60人前後なので、1回しあたりの予約枚数は約660枚、2回回しでその倍の1320枚、CD一枚あたりの価格を1,200円とすると、2回回しのリリイベ一回あたりの売上は1,584,000円となる。それにリリイベの平均25回をかけると、リリース日前までの段階での予約枚数約33,000枚、売上は約39,600,000円の仕上がりとなる。

 

これがカラクリである。つまり、一人のオタクが特典券ほしさに無駄に枚数を買っているだけ。有人や友達に配るとしても最低5枚もあれば充分なものを、リリイベで毎回毎回二桁枚も予約購入するので、リリース日によく行われる(ウィークリー狙いの枚数稼ぎイベント)"お渡し会"には100枚入りの箱入りでお持ち帰りというシュールな光景が展開される。

 

地下アイドルのビジネスはニッチ中のニッチビジネスなので、ファンは数よりも質。広く知られた地上のメジャーアイドルはファン層の裾のも広く、ファンの数も膨大なため、一人のファンが一枚だけ購入しても数十万枚という膨大な数に積み上がるが、知名度が低く、一般人がほとんど知らない地下アイドルはの場合は、地上アイドルに比べ圧倒的に少ないものの客単価が異常に高いコアなオタクの特典券狙いのまとめ買いに頼るしか術がないのである。