熊と握手をして来ようと、荒川の源流、奥秩父入谷渓谷に勇んで出掛けて来ました。
僕が来たことが分かるように、鈴を付けてチャラチャラ鳴らしながら、木々の緑に囲まれた渓谷を、爽やかな清流の音を聴きながら足を軽やかに進めて行きました。
すると道端に、こちらに背を向けて、渓谷の写真を熱心に取っている女性が目に入りました。渓谷なので、道幅は狭く、川は所々轟音がしている。
その彼女の傍らを過ぎようとすると、突然振り返り様に、両手を上げて「キャ～！」と叫ばれた。
「おい、オレは熊じゃない！人間だ！良く見ろ。」僕は心の中で、そう叫んだ。
結局、熊には会えず仕舞いであった。何て肝っ玉の小さい奴らだ。
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写真は、一級河川荒川起点の“赤沢出合”という地名の入谷渓谷の写真。
