動物愛護法 改正: 生後56日を経過しない犬と猫を販売することは禁止 | ルーシー・わんのブログ

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僕がこれまで読んだ本の中で、印象に残った本、読んで良かったと思える本、影響を受けた本の紹介を中心に書いていきたいと思います。

改正動物愛護法が29日に参議院本会議で可決・成立しました。


これにより、生後56日を経過しない、犬と猫を販売することができなくなります


これは動物たちにとって、とっても良いことです。欧米では、とっくの昔からそのようなルールになっています。


背景は、“生まれたばかりで親から引き離されて販売された子犬や子猫が、人をかんだり、ほえやすくなるトラブルが相次いでいる”ためです。


何故なんでしょう?それを説明したくて筆を取りました。実は、人間の子供の養育でも同じことが言えると思います。


答えを一言で言うと、社会化(ソーシャライズ)と言うことです。


犬は通常複数で生まれてきます。兄弟が数匹一度にできるわけです。子犬たちは、その広大同士の遊びやじゃれあいを通じて、犬同士の関係の在り方を“自然に”学んだり身につけて行ったりします。子犬のなかで順位づけの闘争は自然発生的に生じます。それによって、母犬の一番の乳の出やすい場所(一番お尻側の乳首)を、最も強い犬が確保できます。遊びや逃走の中で、彼らの手とも言える歯(牙)を使って、噛み合いをしながら、あるいは相手の体の上に乗っかりながら、優越を決めて行きます。集団生活を送る犬社会の中では、順位付けは本能的・遺伝的に必要な儀式です。


ポイントは、相手の犬(子犬)から噛まれることによって、自分として“痛み”を体感・理解できるようになることです。「あ~、こんなに強く噛んだら痛んだ。」というのが分かるようになる。だから自分も相手を噛む時には気をつけようと。これが動物行動学でいう社会化(ソーシャライズ)と言うことです。


その経験を経ずに、親兄弟から引き離されると、その痛みが分からないから、問題行動を起こすということになってしまう。


これを人間界に移して議論すると、子供同士のケンカや争いを、それが良くないからという理由で、親が介入・干渉すると、そのやり方によっては、社会化(ソーシャライズ)が十分に身につかない結果になってしまうかも知れないということかと思います。


動物の行動から、人間が学べることは沢山あると思います。


ペット達の幸福度が一歩前進です。


参考 NHKニュース、“犬や猫 生後56日間販売禁止へ 830 428分”:


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120830/k10014638521000.html