先日、偶然バーレッスンで鏡の前の位置に立ちました。鏡を正面に立つ位置。
鏡の前って人気の場所なので、いつも取り合い。あるいは、お局的な「偉い人」とか鏡大好きな「固執する人」とかの定位置だったりしますよね。
(不愉快に思われた方にはスミマセン でも現実にはそんな事が多いと思う。)
私も若い頃は「今日はどうしても鏡で確認しながらやりたい」と思う時は頑張って場所取りする事もあったんですが、大抵はいつもそこでやっていた人ににらまれるので、今では殆どやらないです
最近は新顔さんでも毎回平気で鏡の前に陣取る強者も多いですよね。基本的には同じレッスン代を払っているのですから誰がどこでやってもOKですし。
(昭和時代のヒエラルキーの中でやったらイジメに合う確率が爆上がりでしたけどね もちろんそんな教室ばかりではなかったと思いますが)
でも、ベテラン以外の人は鏡の前でやる癖はつけない方が良いと私は思います。鏡って本当の姿ばかりを見せてくれる訳ではないし、初級以上だと正面に顔をつけて動く方が少なくなるので悪影響が出ます。舞台に鏡は無いしね
確認したけりゃ自宅でかレッスン後にビデオで撮るのが一番です!
今日のテーマはそこじゃない
すみません、本題に入ります。
<脚、汚い>
久しぶりに鏡でレッスン風景を見ながら動いていると、オープンクラスの大人バレエでは本当に千差万別な姿が映っていました。
(自分に集中せねばならんのに何してるんだか)
習って来た先生も違うし実力も違いますから当たり前です。
で、今回鏡で一番気になったのが
脚、汚いなぁ
という感想。
(今はね、自分のことは棚どころか雲の上に置いておくとして、)
ベテラン以外、脚の締まりが無いんです。
脚の形って、長さはともかく、動かし方の結果が出ます。もちろん遺伝的ラッキーもあるけれど、正しく動いていればそれなりの形にはなって来ます。
完璧な形は無理としても、タンデュを出した瞬間は、誰でもそれなりの凛!とした脚になってなきゃいかんのですよ。プロ・ダンサー達のレッスン風景でも全員のタンデュ、綺麗でしょ?
特にアラスゴンド(横タンデュ)ね!
「頼むからウォーマー脱いで見せてくれ!」と、言いたくなるくらい
ぴん!と張ったラインに、締まりのある筋肉、細い足首と訓練された甲、そして充分なアンドゥオール
あれを目指さなきゃ。
<張り続ける脚>
下半身だけ頑張ってもああはならない、全身が使えてあの形になります。
でもね、
まずは脚をピン!と張ろうよ
張ってる「つもり」じゃ、いつまで経っても変わらないんです。実感としてキリキリと使い続けていないとダメなんです。
ターンアウトももちろん大事。
でも、まずは両脚全体を張らないとターンアウトは出来ません。
軸脚は上下に張り続け、動足の爪先は軸から遠く床の更に下を目指して脚の付け根(座骨)は身体の芯を通って天を目指す!
これが大事。
(というより、両脚は一緒の感覚で伸ばし続けて使います。長いコンパスの脚が片方だけ軸から離れるだけのこと)
<リキんじゃダメ>
こう書くと、力んで(リキんで)しまう人がいるのですが、繰り返し書きますが、バレエは力んで踊っては美しくなりません。
力むのではなく、「伸ばす」の。
この感覚は掴めるまでが難しい。
でも諦めないで下さい!この「伸ばす」感覚がバレエの真髄だから。完璧なターンアウトなどとは違い、必ず誰でも出来るようになる技術です。
力んでしまうとね、前腿を使いがちになります。
前ではなく、脚の裏側ライン(ハムストリング側)を伸ばして動かす。足裏でしっかり床を舐めるようにして。
中々難しいですよね?
でもイメージして! しっかりイメージして動かせば、いつか感覚が身について来ます。
振付に気を取られてタンデュがおろそかになっては意味がない! だから基礎クラスは大切なの。
<開く角度は皆一緒>
タンデュは動足の先は限りなく軸から離します。脚の長さは違えど、脚が開く(外転する)角度は誰でも同じはずなんです。
だって殆どの人は両脚の長さはほぼ一緒でしょ?
だったらタンデュの形の角度は全員一緒のはずなんですよ。それでコールドの脚が揃うの。
なぜ角度の狭いヤツがいる?
ちゃんと動足の先を軸から離していればそんな事は起こらない。
<タンデュはスピーディーに>
そして気になった事がもう一つ。
脚の締まりのない人は、タンデュに出す脚の動きが鈍い。
慎重に出しているのか、振付に気を取られているのか?
タンデュが「すっ!」とスピーディーに出ていないんです。
タンデュはね、曲の速度にも比例しますが、基本的には速く出すの。さっと出して音待ちするくらいで丁度いい。
このスピーディーな動きは、足裏と脚裏がしっかり使えていないと、カッコよく見えないんです。
前腿使ってタンデュを出すと見えるラインが違って鈍く見える。裏側ラインに押し出されるように動脚が動いて見えるのが正解。
プロの映像を見慣れると、自分でも確認出来るようになって来ますよ
<膝から上もしっかり使う>
このお話は長くなるので、いつか別記事にしますが、
前腿を使う事が怖くなると、膝から上に力を入れなくなるんですよ。私がまさしくこの症状でした
膝のお皿を上に上げるように使う、あるいは膝の両側を引き上げるように使う、感覚は色々ありますが、膝はしっかり伸ばさないと大腿が使えないんです。
軸脚の膝が緩むとバランスも取れません。
ちゃんとね、脚を張るように伸ばして使えれば、この問題も解決するんです。ちゃんと膝は伸びてくれます。
膝が伸びない人は、脚の伸ばし方が悪いか足りないかだと思う。
<おわり>
シンプルにたった一本脚を動かすだけのタンデュ。しかし、クドゥピエを通る以外では殆どの動きはタンデュを通ります。
動き出しで間違えると、その先での修正は出来ません。
「プリエとタンデュを制する者はバレエを制す」
頑張って追求し続けましょう
ここはどんな人でも頑張れるところだからね!
<おまけ>
フランス派?の振付でね、正面を向いた横タンデュ(アン・ファスのタンデュ・アラスゴンド)で、わざと動脚をターンアウトさせないポーズがあるの。 例えば、「グラン・パ・クラシック」女性Vaのラストのポーズとか(違うポーズの時もあるけど)。
動脚、ターンアウトしていなくてもキレイなんですよ 訓練された脚ならでは。
あんな美しい脚になりたいなぁ