「発表会での大人バレエの扱いに物申す!」
なんて不穏なタイトルをつけてしまいましたが、ホントに今回も先生方にケンカ売ってる訳ではありませんので
これから書く事はあくまで私が経験・見聞きした事から思う私感でありますので、全く当てはまらないスタジオもあるでしょうし、読んで不快に思われた方には申し訳ありません
昔に比べたら今は大人素人が「クラシック・バレエを習っています」と堂々と言える時代になりましたが、私がバレエを再開した頃はまだまだ大人がバレエを習うという人口が少なくて、世間的には「バレエってコレですか〜?」なんて鳥が羽ばたく真似をして見せられたり、志村けんさんのあの白鳥の頭のついたチュチュの振りを見せられたり、とよくからかわれました。
「バレエ」と言えば必ず「バレー?」と聞き返されましたから
ですのであまり口には出来なかったのです
しかし今や、子供の数より大人の数が増して、更に大人バレエ開始の年齢層も上がって来ました!素敵な変化です
しかし長年素人バレエの世間を見て来て、大人と子供の扱いがあまりにも違う先生やスクールがある事に、違和感どころでなく怒りを感じることがあったりしています。
特に発表会での扱いに・・・。
現在は大分変わって来たとは思いますが、まだ時々一言言いたくなるような大人の出演のさせ方をする発表会を拝見します。
出演されているご本人方が納得の上でなら構わないのですが、大人クラスの生徒さんが殆ど踊らず、あるいはまるでお遊戯会のような振付で出演されているケースを見ます。
児童はソロや少人数で踊るのに大人は大人数の群舞しかない、一曲は群舞で踊らせてもらえるけど二曲目は殆ど背景のみ、とか。
繰り返しますが、そういう募集あるいは希望で出演されているのなら良いのですよ。
しかしよく耳にするのは、「しっかり2曲分の参加費を払っているのにあまり踊らせてもらえなかった」、「背景だけやって踊らなかったのに衣装代だけ請求された」など、色々な不満を耳にします。
「嫌なら出演しなければいいと」思われるかも知れませんが、発表会に出演しない事への先生や仲間への負い目とか、今度こそは少しは上達したから沢山踊らせてもらえるのではないか等、大人は色々と考える訳です。
バレエでは参加申し込み締め切り後のキャンセルは、振付けした先生や他の生徒さんにも迷惑が掛かるので原則的にはタブーですので。群舞の場合、実際に振付が終わるまで自分がどのように踊るかはわからない事が多いです。
先生の方にも沢山事情があります。
指導時間・上演時間の関係上、お客様が退屈されないかどうか、席が空いてしまわないか、そして公演全体やスクールの印象も大切な事柄ではあります。
スクールも商業ですからそれを否定してはいけません。
でもね、発表会は生徒が練習した成果を見せる場所です。完成品を見せなくてはならないプロの公演ではありません。
お支払した参加費分はしっかりと練習させて踊らせるべきだと私は思います!
「出来るだけ見目良いものを!」と生徒の為にした演出や振付が、必ずしも生徒や観客を満足させるとは限らないこともあります。しかし、観客から見て、あきらかに大人が雑に扱われている印象を受ける発表会があることも事実だと思います。
生徒の方は期待して何万円もの出演料を払い、時間を工面してリハーサルに参加して、また訳の分からない待ち時間にも耐えてます。
(余談ですが、あの舞台芸術系の待ち時間は何とかなりませんかね? セットの設営が伸びるなどは仕方ないのですが、先生の一方的な都合による長時間の待機は生徒の時間の搾取に思えるのですが。職業ではないのですから、生徒の時間は先生が何時間も勝手に搾取して良い時間ではないと思います。最近はきちんと時間のコントロールをされる先生が殆どとは思いますが、私め、ここら辺の話も始めたらキリがないです!私の若い頃は散々待たされたのよ〜)
それなのに、まるで児童の引き立て役や、ゲストや先生方の背景のみ的な扱われ方をされるのは納得が行きません。
引き立て役のみをやる為に、背景のみをやる為に発表会に参加している訳ではないからです!
以前、ある先生が「大人は踊れないから仕方ないのよ~」と言っているのを聞いたことがあります。
大人は本当に踊れませんか?
では児童は踊れるのですか?
踊れない人は発表会に出したくないのなら何故参加を促すのですか?
観客は誰を観に来ているの?ゲストや先生ばかりを観に来ているのですか?
誰の為の発表会なんですか?
・・・言いたいことは沢山あります!
私も沢山背景のみを演じて来ました。でも幸い踊りも沢山踊らせてもらって、そこに背景が必要でしたから納得していました。背景やるのも楽しかったですしね
しかし、「背景のみの参加もお勉強です」、はプロ志望の生徒やお弟子さんに対しての意識ではありませんか? 大人の生徒はバレエを踊る為にスクールに通っているのですから。
踊れなくたって発表会で踊っていいんです!
バレエの完成した技術で踊らなければならないのはプロだけなんです。
素人は自分の技術で心から踊ればいいのです!!
スクールにもよるでしょうが、大昔は大人生徒が少なかったこともあって、発表会の中心はゲストやジュニアで大人は本当に引き立て役という感覚がありました。不満を言えば先輩から「大人げないこと言いなさんな」と諭されましたし、私自身もそんな感覚を長年もっていました。「大人はもう引退組だからジュニアに貴重な経験を」と。
別に「主要人物の配役を大人生徒にしろ!」とは思っていません。
確かに振付自体を踊れない人が殆どですから。
しかし、創作でも振付改訂でも良いですから、大人にもしっかり観客から観える程度には踊らせてあげて下さい。大人数ばかりでどこで踊っているか観えないような踊らせ方ばかりはさせないで下さい。
バレエ経験のなかった大人の生徒さんは「そういうものか」と思って我慢してしまいます。でも素人の世界ではそれではいけないのです!
「バレエはそういうものだから」
はいつまでも通用しませんよ。
スミマセン、今回は少し感情的に書いてしまいました。
殆どのスクールでは大人も沢山踊らせて貰えていますし、大人バレエの人にグラン・パ・ド・ドゥまで踊らせる先生までいます。時代は変わりました。
また、大人を素敵に踊らせてくれる先生も沢山います!
私が言いたいのは、
出来るだけ皆が等しく楽しめる発表会にして頂きたい!
それだけです。
さあ、発表会シーズンの幕開けです!
皆さん心から楽しんで頑張って踊って下さいね