これは先日NHKの番組「ネタドリ」の「広がる”子供のいない人生”
語り始めた女性たち*」という企画の中で紹介されていた月岡ツキ
さんの著書のタイトルです。
いま子供のいない人生を歩み始めている人が増え始めていて、子供
を望んでいるかのアンケートでは、
「子供を持ちたくない。いなくてもよい」
と答えた人が35.7%で、
「子供を持ちたい」
の答え37.2%と近似してます。
いまの日本が抱える問題は超高齢者社会と少子化で、国はそれぞれ
に施策を講じていて、結婚した夫婦には子供を持ちやすいと感じる
施策、授業料免除、給食費無料化。給付金などなど、は確かに子育
て世代には大きな助けとなるのでしょう。
でも、一方で結婚していない人、結婚して子供がいない人たちは、
生きづらさを感じているようです。
世間一般の幸せの定義は、結婚して子供がいてフツーの家庭を作るこ
とで、一方で、結婚しない選択肢・子供をもたない選択肢に対しては、
理由を求められる家庭環境や社会には疑問の念を持たざるを得ません。
そろそろ適齢期、婚活を勧める、孫の顔が観たい、不妊治療を求める
などは、もはやセクハラです。
結婚する・しない、子供を持つ・持たないは、男女を問わず、自分
・自分たちが決めることで、その選択の理由をわざわざ、世間に告げ
ないと生きづらい社会になってしまっています。
そして、実生活においては、母親になると、その背負わされていること
の多さに驚かされます。
産休・育休、そして男親の育休所得など、体制は整えられているようで
すけど、実際はまだまだ取得しにくかったり、復職後の社内での居場所
や自身のキャリアー設計にかかわる問題点などあるなかで、生むことに
始まって、育て、家庭の軸になることへの負担感や不安感で、すべてを
こなす母親にはなれないと、考えるようです。
この著書の読者からは、なんとなく考えていたことが文字になって腑に
落ちたとかよく書いてくれたとかというコメントが多かったとのこと
です。
子供を持たないと考えている人たちの多くは、子育てに自信が持てない
とか経済的な理由とかありますが、金銭的な問題を挙げているのは男性
も多く、とにかく一家の大黒柱として稼がなきゃいけないとの思いで
子供を持てないどころか結婚もできないと考える男性が多くなっている
そうです。
一般的な男性、女性の幸せ像というのは、わたしの年代・団塊世代や
第一次ベビーブームのころの家庭像の影響が強く残っているためであろ
うと思われますが、いまはもう、結婚や子供を作る選択は、男女を問わ
ず自分で決めることであるべきであって、それに対して穏やかに認めて
あげられる社会へのトランジション(移行期)でなければならないと
思います。
それは、女性として性を受けたひとだけの問題ではなく、いろいろな
性のありかたをも含めて、お互いの考えと事実を受け止め、受け入れ
認め合う共生社会の実現に向けた歩みでなければならないと感じた
番組でした。