天竜川の西の岸辺で浜松の北に、中ノ町というところがある。
京都と江戸の丁度真ん中の町だからこの名前がついたと、聞いていた。
そこに亡母の姉が嫁いでいた家があり、この伯母が私のことを不憫に思ってくれた為か、とても可愛がってくれていた。
丁度夏休みの時期、時には泊りがけで、遊びに来るようにといわれて、その当時では、唯一の乗り物だった軽便鉄道に乗せてもらい、伯母と一緒に中ノ町の家に向かった。
軽便とは、ミニSLに引かれ石炭を焚いて、シュシュ、ポッポッと走るので煙を上げて進行する。
あまり家から出て遠方に出たことのない僕は、初めての乗り物に興奮した。