登山道のすぐ左にある忠魂碑は全く何事もなかったかのように、どっしりと構えていて嬉しかった。
その前に立って、最敬礼して「おかげで助かりました。有難うございました」と心を込めてお礼を言った。
急な山道を喘ぎながら登るほどに、焼け跡の惨状は目を覆いたくなるほどである。
木という木、草という草は黒く焼けおちて、生き物の影は全く見当たらない。
鳥の囀りはもちろんない。
死んだ、地獄の世界だ。
焼け焦げの臭いがまだかなり強く漂って、息苦しい感じがする。
細江公園には小さな石づくりの様々な形、顔をしたお地蔵さんがあちこちにあるが、お気の毒にも殆どが煤で真っ黒になってしまってどのようなお顔だったのかはっきりしないほどだ。
本当に、惨く情けないありさまだった。
幼い自分には大きなショックだった。
本当に山火事などもう絶対にいやだ。いやだ!!!