ランチタイムアートとしてウフィツィ美術館の作品をinstagram と YouTubeで紹介しています。
今回はアンドレア・デル・サルト「ハルピュイアの聖母」を紹介しました。
ブログでは動画でお伝えできなかった内容を少しだけ補足します。
アンドレア・デル・サルトとハルピュイアの秘密
日本では知名度が低いアンドレア・デル・サルトですが、イタリアでは「間違いのない画家 (il pittore senza errori)」と呼ばれています。
タイトルとなったハルピュイアはギリシャ神話に登場する怪物。マリア様の足元の彫刻がこのハルピュイアと思ったヴァザーリによってこの名称となりました。でも実際はハルピュイアではなくてヨハネの黙示録に登場するイナゴだと考えられています。右側にいるのは黙示録を書いた福音書記者ヨハネです。
動画補足:ヨハネの黙示録を描いた作品
さて、ここからは動画でお伝えできなかった内容の補足です。
マリア様の足元にいるのはイナゴですが、ヨハネの黙示録では「額に神の印がない人たちには害を加えてもよい」と言い渡されます。イナゴは人間にサソリに刺されるような苦痛を与えます。
しかしそれを救うのが左に描かれた聖フランシスコと聖母マリアです。聖フランシスコは聖痕を受けたことで知られていますが、これが「神の印」と考えられたのです。「神の印」があればイナゴに攻撃されません。また聖母マリアが立っている台は地獄の入り口で、マリア様が入り口を足で踏んで蓋をしているという図になります。
これらを全部踏まえると、ヨハネの黙示録に描かれる終末とそこからの救済を表したものだということがわかります。
また今後も色々な作品を紹介していきたいと思います。ご興味のある方はぜひinstagramのフォローお願いします♪
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