Buon giorno みなさん♪
1月6日はイタリアでは祝日です。
Epifania といって生まれたばかりのキリストの元に東方三博士が訪れたことをお祝いする日です。
日本語では「救世主の御公現の祝日」というそうです(物書堂の伊和辞典を参考にしました)。
イタリアでは12月8日の聖母マリア無原罪の御宿りからこの1月6日までがクリスマスシーズン。
この日を過ぎるとお祭りモードも終わり。飾りつけも外されます。
日本で松の内が開ける感じですね。
イタリアならではのこの日のイベントはいろいろあるのですが、それは他のイタリア在住の方々にお任せしちゃいます。
このブログではこの機会を利用してずっと紹介したかった「東方三博士絵画展」を開催したいと思います♪

メディチ家が住んでいたリッカルディ宮殿の壁画。
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東方三博士の来訪というのは聖書のお話に基づくものです。
キリストが生まれた時、星がユダヤの王が生まれたことを告げます。
それを見た東方の博士たちは「王が誕生した!」と喜んで当時のエルサレムを治めていたヘロデ王のもとにお祝いに向かいます。
ですが、ヘロデ王は寝耳に水。
「ワシもその王を拝みたいから探してきてくれ」とヘロデ王に言われた博士たちは預言に従ってベツレヘムへと向かいます。
博士たちは無事生まれたばかりのキリストとマリアの元にたどり着き、キリストを拝みます。
そして3つの宝物を贈りました。

ウフィツィ美術館にあるジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの「東方三博士の礼拝」
博士がひれ伏して拝んでいます。
贈り物は黄金、乳香、没薬。
黄金は地上の力の象徴、乳香は神事に使用されていたため神性の象徴、そして没薬はミイラに使われている通りキリストの将来の受難を表すそうです。

ウフィツィ美術館にあるボッティチェリにある「東方三博士の礼拝」
右端の黄色のローブをまとっているのがボッティチェリ本人。
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さてさて、この「東方三博士の礼拝」はメディチ家が好んだテーマでした。
1枚目に紹介したリッカルディ宮殿の壁画も、3枚目のボッティチェリの作品も、主要人物は全てメディチ家の人物なんです。
メディチ家の基礎を築いたとされる老コジモ(ロレンツォ豪華王のおじいさん)は、プラトンの「饗宴」をギリシャ語からラテン語に訳させます。
長い中世の間に忘れられてしまったギリシャ哲学。それを復活させたのです。
そしてそれがルネサンスにつながりました。
メディチにとって東方三博士はそのような東からの影響を表したのかもしれません。
そして、その東からの影響がどれほどキリスト教一遍だった中世に新しい風をもたらすのかを知っていたのではないでしょうか。
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フィレンツェでは東方三博士の来訪を模したパレードが今でも行われています。
その様子はまた後日レポートさせていただきます♪
現代の東方三博士。かろうじて後ろ姿をキャッチ!


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