天国への門が開いた!Part 8☆洗礼者ヨハネとサロメ | フィレンツェ観光ガイド 加藤まり子 in 東京

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フィレンツェ観光ガイドの資格を2016年に取得しました。
現在は都内で美術の鑑賞の仕方を教えています。
詳しくはホームページから。
http://mariko-no-heya.com/

「天国への門が開いた!」のタイトルで書き出したこのシリーズ。


前回はドゥオモ前の洗礼堂、南門に描かれている擬人像とタロットの関係について紹介してきました。






今回はこの南門の上に本来なら設置されているはずの
洗礼者ヨハネとサロメ
のブロンズ像についてご紹介したいと思います。


ドゥオモ付属博物館に飾られている洗礼堂南門のブロンズ像。




真ん中にいるのが洗礼者ヨハネ。処刑される瞬間です。
そしてその横にいるのがサロメです。


この洗礼堂は洗礼者ヨハネに捧げられたものです。



そして、フィレンツェの守護聖人も洗礼者ヨハネ。


洗礼者ヨハネとは一体どんな人物なんでしょう?


キリスト教ではイエス・キリストに洗礼を施した大変重要な聖人です。

ダヴィンチが弟子入りしていたヴェロッキオの作品。

真ん中にいるのがイエス、右にいるのが洗礼者ヨハネ。




重要なので、たくさんの名画にも登場します。

ダヴィンチの傑作「岩窟の聖母」ルーヴル版。

左端の子供が洗礼者ヨハネ。


ヨハネは山奥で厳しい修行に励んだことで知られています。

なので、絵画では
・粗末な毛皮の衣服
・長い十字の杖
を持って描かれます。
ベルリン絵画館にあるボッティチェリの作品。左端が洗礼者ヨハネ。



厳しい修行で人々の信仰を集めたヨハネでしたが、時の権力者に危険視されてしまいます。





当時イスラエルを治めていたヘロデ王に捉えられますが、権力に屈しなかったヨハネ。
王である自分に対しては批判的でしたが、民衆の信頼を得ていたヨハネをどうするか・・・
ヘロデ王は為政者としての判断に迫られます。





判断しきれなかったヘロデ王の救いになったのが義理の娘サロメ。
彼女は踊りの褒美として、母ヘロデアの求めるままヨハネの首を所望します。






このシーンは数々の画家にインスピレーションを与えました。







そしてこの物語を何より有名にしたのがオスカー・ワイルド。
彼の筆によってサロメはファム・ファタールの代名詞になりました。

(Wikipediaよりお借りしました)


私がオスカー・ワイルドの「サロメ」を読んだのは16歳の時。
アメリカに住んでいて日本語の活字飢餓に陥っていました。

そんな時に親のものだったのでしょうか。
この「サロメ」を見つけたのです。

旧字体で埋め尽くされた文庫本だったにも関わらず貪るように読んだことを覚えています


この作品が私に及ぼした影響は計り知れません。


それまではただ親の庇護のもとにいる少女でしかなかった私・・・
でもこの作品を読んで私の中のファム・ファタールが呼び起こされた気がします。








続く・・・



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