10月8日(土)、ブロードウェイ・ミュージカルサイド・ショウ12時公演を観劇しました。
昨年の初演時に“結合性双生児”の二人が主人公と聞いて、観に行くことに躊躇してしまった自分がいます。身体的ハンデを題材にしてしまうことが許されるのか…でも、初演の評判を聞いて、今度こそ観に行こうと決断して良かったと心から思っています。
“見世物小屋”の人たちは、皆ある意味幸せなんです。どう表現していいのか分からないのだけれど、私が幸せだと思うことは、他人には全然幸せではないことは普通のことで、人それぞれの幸せがある。そういったことがこのミュージカルの根底にあるのだと思います。
結合性双生児のヒルトン姉妹を演じた貴城けいさん(ヴァイオレット)と樹里咲穂さん(デイジー)は、どんな動きをしても腰の部分がピッタリくっついているように見えるし、メイクをした顔は本当に双子のようにソックリでした。
“見世物小屋”のボス(大澄賢也さん)は、冷たい守銭奴のようでいながら実は心温かい人だし、プロモーターのテリー(下村尊則さん)のジレンマも理解できるし、ミュージシャンのバディ(吉田朋宏さん)の野望もある意味正解かもしれないし、悪い人みたいだけれど、本当にどこにもいる人たちのお話です。
そして、“見世物小屋”の仲間で、黒人のジェイク。ヴァイオレットがジェイクに言った「肌の色が違う」という言葉の残酷さにグサッときました。演じている吉原光夫さんは、朴訥な感じがする人なので、精一杯の告白が無残な結果になったという雰囲気がより一層伝わりました。ジェイクの気持ちを歌うソロのところでは、とても感動しました。
このミュージカルは、観終わったあとに何だか心が安定するというか落ち着くような感じがしました。温かい気持ちになるミュージカルは今までにあったけれど、心が安らかになるようなものに初めて出会ったような気がします。
私が観劇した2日後が東京公演の千秋楽の日だったのですが、残念なことにヴァイオレット役の貴城けいさんの急病(急性肺炎と公式サイトに発表されました。)で、公演自体が中止になってしまいました。代役がいなかったようなのですが、もし代役がいたとしてもヴァイオレットとデイジーの双子らしさなどを急なお稽古で完全にすることは不可能だと思います。この先、大阪公演がどのようになるのか、まだ発表されていませんが、貴城さんの一日も早いご快復を祈ることしかできません。
<キャスト>
ヴァイオレット・ヒルトン:貴城けい
デイジー・ヒルトン:樹里咲穂
ボス:大澄賢也
バディ:吉田朋宏
ジェイク:吉原光夫
テリー:下村尊則