優しい気持ち

ある病院のリハビリ室のことです。 車椅子の青年がいました。
そこに交通事故で足を折った少女が入院してきました。
毎日リハビリ室で顔を合わせる二人…すぐに仲良しになりました。

実は…彼女は足が速く、陸上の選手をしていました。
大きな大会を前にして、怪我をしてしまった彼女…。
大会に出られなくなったことが悔しくて、悲しくてたまりません。
友達になった青年に「すごく頑張ってたのに運が悪すぎ、めっちゃ悔しい」って言いました。

青年は彼女を一生懸命に励ましました。

彼女の怪我は単純骨折、すぐに治って退院できてしまいます。
でも青年の怪我は脊椎を痛めたせいで 、この先も歩けるようにはならないのでした。
でも、その青年は一言も、自分のことなど言わないで
ひたすら、彼女を、励ましたんですよ。
退院するときになって…はじめて、彼女は彼の怪我の重さを知りました。

涙が止まらなかったそうです。
その後、彼女は、インターハイにまで出場できました。
残念なことに優勝はできませんでしたが 精一杯走れたことだけで大満足だったみたい。
その後、彼がどうなったかはわからないそうです。
その彼女は大人になって看護師になりました。 心は通じるよ…これが彼女の口癖です。

彼女がわたしに話してくれた言葉、きいてみますか?

青年がくれた想い、これ、ほかの人に返してあげたいから
わたしは、看護師を・・ずっと続けたい!
照れながら、でも、すごく素敵な笑顔で話してくれた彼女でした。

追伸…

この青年、どう思われますか?
ただ…優しい人ですね…の一言で片付けてしまいますか?
本当は、すごくつらかったはず…。
みんな自分の足で歩けます。どうして…自分だけがって…わたしなら思います。
そして…自分の不運を恨んでしまいます。

彼もきっと、そうではなかったかと思うのです。でも…そこから抜けだせました。
前を向けるまで…彼女を励ますことができるまでに、彼は頑張ったんですよね!
このことは、あとになってわかったと、看護師になった友人は話していました。
彼は、ただの優しい人ではなかったと思いませんか。
すごい頑張り屋さんで、人の痛みを自分のこととして

受け止めることができる人だと思います。

彼女…もしも、もう一度あえることができたら心のそこからお礼を言いたいそうです。
ちなみに、この彼女は「さっちゃん」という愛称のわたしの大親友です(照れ)

◆勝手なあとがき

わたしも以前入院していたことがあります。扁桃腺の切除手術です。
いつも熱が出やすく、まわりに迷惑をかけてしまうので

思い切って手術していただきました。

そのとき10日ほど入院しました…そのときの看護師さんの印象を少しだけ…。

看護師さんは、みなさんどなたもすごくやさしかったです。
疲れている日もあるでしょうに、いつも笑顔を絶やさないで
検温にきてくださったり、点滴を打ちにきてくださいました。
私が、点滴の注射針いたい~というと、一番細い蝶々のやつにしましょうねって
黒い蝶々の羽みたいなのがついた点滴針を用意してくださったりも!
太い針というだけで、こわがるわたし…もしかして弱虫?(笑)

看護師さんの笑顔ってほんとにすごいですよね。
患者さんが安心するし、巡回をうれしく待つようになるし
自分が苦しいことも忘れてしまいそうになってしまいます。

同じ人間だから・・失恋もするし
つらいことや疲れきってるときもあるのだと思いますが、それでも笑顔を絶やさない・・・。
元気をもらえる!がんばろうっていう気持ちになれる。
愚痴は自分を破壊してしまうだけだから…。

そんなことを教えてくださった笑顔でした。
退院するときに心からありがとうって言えました。
ありがとう…いい言葉ですよね、思ってるだけじゃだめ。

言葉にして伝えないと……ねっ!!