がんの治療はチーム医療だと前回書きましたが、

他にもデータが何よりも大事だと思いました。

何件の手術や投薬をして、どれくらいの人に効いたか。

この膨大なデータや国内の他の病院・他の先生などが集まる勉強会でどれ位の事を知識として持っているのかがとても大事だと思いました。

その病院だけでは知ることが出来なかったタイプの患者さんの治療情報が、まだ見ぬ誰かの役に立つんです。

私も治療の際に「もし学会で必要になったら発表してよいか」という確認をされました。

 

いま私が生きているのはどなたかのデータのお蔭だと思っているので、断る理由などありませんでした。

 

良く勘違いされるのが「標準治療」の標準の意味ですが、一般的という意味ではなく患者さんに合いそうな最善の治療が「標準」なのです。

担当医は、抗がん剤のメリットとデメリットや温存するか全摘するか、また温存した場合の再発のパーセンテージや予後の事、手術が先か抗がん剤が先かなど、ゆっくり丁寧にわかりやすく話してくださいました。

 

がんというと手術が先のイメージだったのですが、先に手術をしてしまうと、もしリンパに転移があった場合でも抗がん剤が効いてるのかわかりにくいが、先に抗がん剤を使うと患部の大きさに変化があるのでわかりやすいのと、他の所に小さな腫瘍があった場合でも一緒に消すことが出来るというメリットがありますが、万が一抗がん剤が効かなかった場合には、腫瘍が大きくなってしまうというリスクがありました。

でも、大きさ的にもう少し小さくした方が手術も楽だそうで、そしたら抗がん剤を先で!とあっさりきめました(笑)

 

気が付くと、治療開始まで1か月ほど経ってました。

でも、きっとみなさんこんな感じだと思います。

ドラマなどは都合上一瞬で告知されて入院してますが、そんなに早くはないです(笑)

 

最初の投薬はクリスマス少し前でした。

抗がん剤の副作用に「味覚障害」があるんですが、地味に辛いんです。

なので今コロナの後遺症で味覚障害の方の辛さが痛いほどわかります。

幸いにも抗がん剤の副作用の味覚障害は、投薬が終われば治る人が多いそうです。

で、味覚障害ですが、点滴後にローストビーフ丼を食べたんですが、味がしないんです。

しっとりとした肉の感触と、お米の感触。

味ではなく、舌の感触と「おそらくこんな味だった」という脳の記憶。

告知されても淡々と治療すれば治るから♪と涙なんか出なかったのに、悔しくて食べながら涙が出ました。あの時の事は、今でも思い出して涙が出るほどです。

 

夕飯を作ろうもんなら、味見してもわからない・・。塩を大量に入れてしまう><

これは大変だと、おかずはセブンのお惣菜を活用しました。

がん保険に入ってて良かった・・・こういう些末な家事をしないで済む代金もがん保険の保険金に含まれてると思いましたよ。

副作用も人それぞれで、投薬したら吐き気で動けなくなる人も居るようですが、私はわりと元気で三半規管が弱くなって乗り物酔いするようになったりするのと、味覚障害がちょっと出たのと、顔がパンパンにむくんだのと(アンパ●マンのようだったw)爪が黒くなったのと毛が抜けた位だった気がします。

 

何度も書くけど、味覚障害はホント大変だった。

治療中にはTwitterで見かける猫の画像、美しい景色、美味しそうな食べ物の画像を見て、治ったらこれを食べに行く・・・と心に思って耐えました。

なので、ホントに申し訳ないのだけども、フェイクスイーツの作家さんをブロックしたりミュートにしてあったりしたのは食べられないものだと治療の力が出なかったので、本当に食べられるものだけにさせて頂きました。

あと、抗がん剤治療で子供が望めなくなったので、赤ちゃん向けの作家さんもそっと見えないようにさせて頂いたりしてました。

なるべく気持ちをフラットに、悲しくならないように、出来たら爆笑して過ごせるように環境を整えさせていただいてました。

 

おっと、遺伝子検査までたどり着かなかった(笑)

次回は遺伝子検査と脱毛です☆