わたし出すわ

「わたし出すわ」を見てきました。
ふいに故郷の街に戻ってきた小雪扮する主人公が、
幼なじみの友人達の夢やトラブルに「わたし出すわ」と大金を差し出していくお話。
その大金が引きおこすあれこれのお話。

小雪さんの雰囲気もあって、唐突ともいえるストーリーは淡々と進むのだけど、
そのお金は人の生活を一変させる力があって、
でもすべて良くなっていくというほど簡単なものでもなく、
あぶく銭にしてしまったり、逆に使えなかったり。
特に思ったのは、ごく具体的な夢というか目的があるときのお金
っていうのはその人の血となり肉となるけど、
そうでないのは、しかもそれが分不相応な額だったりすると、
身を滅ぼすようなものなんだなあ…ということ。
主役の小雪さんは、主役なんだけどなんだか脇役のような、たぶん触媒みたいな存在で、
ともすると下品になりかねないお金の話をさわやかにさらっとさせてる。
この映画で気づいたのは、小雪さんってあんなにクールな外見なのに
話し方が可愛らしい、育ちのいい、おっとり口調だから
冷たい感じがあんまりしないんだなあって。
だからか、友達に大金を渡すシーンでも嫌らしくなく、
友達思いの行動にすら見えました。
前半部分では台詞がなんだか書き文字みたいだな…
って抵抗が少しあったけど、慣れれば大丈夫。
見たあと、すっきりさわやかでためになる(!)映画だなーと思いました。
あ、あと函館に行きたくなります!
watashi-dasuwa.com
(以下余談)

主人公の部屋にかかっていた絵に見覚えが。
アンドリュー・ワイエスという人の「クリスティーナの世界」というエッチング。
ワイエスの作品の中では一番くらいに有名かも。
ポリオを煩って足の不自由な女性の生命力を描いたものなんだって。
中学か高校生の頃、美術の教科書に載っていて、
退色したような色合いと本物みたいな繊細さが印象的でなんだか覚えてたんだ。
(まあ、私のイニシャルがワイエス(Y.S)だからというのが
一番の親近感の理由だったりするけど、笑。)
www.andrewwyeth.com