REVOLUTIONARY ROAD
数年前、会社の愛すべき”ダメ人間”な先輩がとうとう結婚して、
身を固めさせたのは一体どんな嫁か尋ねたことがあった。
意外だったのだが、当の先輩がひたすら奥さんのことを
「いわゆるフツーの」「一般的な」人だと重ね重ね表現していた。
(性格挙げてのろけるわけでもなく、無難に職業や出身で逃げるわけでもなく)
謙遜だとは思うけれども、この先輩自身がどちらかというと型破りな印象の人だったので
普通であることをとりわけ強調することになんとなく違和感があったのだ。
その違和感の理由が、この映画の冒頭で分かった。

若いうちは程度の差はあれ、自分の才能や将来に希望があって
自分はどこか特別だと思っている。
私などは未だに、その考えが妄想であっても貫き続けてこそ何かを成し遂げられる
と心のどこかで思っているのだから、まだまだ未熟なのかもしれない。
でも「自分は特別」と信じることは馬鹿みたいだけどすごく人間らしいし、
生きていく原動力みたいなものにはなる。
先輩の言葉でちょっと引っかかったのは、
その「特別」感があまり感じられなかったからなんだと思う。

ケイト・ウィンスレットとディカプリオ演じる夫婦はまさに
”私たちはきっと特別(今は生活に追われているけれど)”
と思い続け、あるとき本当にその「特別」を捕まえようとする。
生活のため仕方なくの仕事、役割を全部放り出して、
新天地パリ行きを進める二人は本当に楽しそうで輝いている。
でもたとえ「仕方なく」の連続の生活であっても
これまで続けてきたことを全否定することは案外に難しい。
(途中、スパイスのように登場する精神病患者がすごいことを言う。「絶望するには勇気がいる」)
「特別」を追い求めさまよい歩くのか、
「普通」でもいいから目の前のことに正面からぶつかっていくのか。
(忘れがちだけど、ひとは不安定なものは苦手である。)
うん、これは夫婦じゃなくとも
誰もがときどき立ち止まることではないのかな。
私はとても妥協的な人間なので…
目の前のことに没頭するのは案外楽しく、その場その場の満足感はあったりして、
ま、これでもいいかな、、なんて思ったりしがち。
でもそれはそれで尊いこと。
一方でそれで本当によかったの?というもう一人の自分も殺さないように…
って難しいな。
監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。
アメリカン・ビューティー公開時は私は大学生で、
何やらいたく感銘を受けて2回映画館に行ったのを覚えています。
(その後DVDで何度か見直してるんだけども、だんだん感動が薄れてきてる…)
今回も、アメリカン・ビューティー同様、中流階級の葛藤を描いた作品になっていますが
本作は結婚してる人や年齢を重ねている人のほうがより深く味わうことができるのでは、と思いました。
身を固めさせたのは一体どんな嫁か尋ねたことがあった。
意外だったのだが、当の先輩がひたすら奥さんのことを
「いわゆるフツーの」「一般的な」人だと重ね重ね表現していた。
(性格挙げてのろけるわけでもなく、無難に職業や出身で逃げるわけでもなく)
謙遜だとは思うけれども、この先輩自身がどちらかというと型破りな印象の人だったので
普通であることをとりわけ強調することになんとなく違和感があったのだ。
その違和感の理由が、この映画の冒頭で分かった。

若いうちは程度の差はあれ、自分の才能や将来に希望があって
自分はどこか特別だと思っている。
私などは未だに、その考えが妄想であっても貫き続けてこそ何かを成し遂げられる
と心のどこかで思っているのだから、まだまだ未熟なのかもしれない。
でも「自分は特別」と信じることは馬鹿みたいだけどすごく人間らしいし、
生きていく原動力みたいなものにはなる。
先輩の言葉でちょっと引っかかったのは、
その「特別」感があまり感じられなかったからなんだと思う。

ケイト・ウィンスレットとディカプリオ演じる夫婦はまさに
”私たちはきっと特別(今は生活に追われているけれど)”
と思い続け、あるとき本当にその「特別」を捕まえようとする。
生活のため仕方なくの仕事、役割を全部放り出して、
新天地パリ行きを進める二人は本当に楽しそうで輝いている。
でもたとえ「仕方なく」の連続の生活であっても
これまで続けてきたことを全否定することは案外に難しい。
(途中、スパイスのように登場する精神病患者がすごいことを言う。「絶望するには勇気がいる」)
「特別」を追い求めさまよい歩くのか、
「普通」でもいいから目の前のことに正面からぶつかっていくのか。
(忘れがちだけど、ひとは不安定なものは苦手である。)
うん、これは夫婦じゃなくとも
誰もがときどき立ち止まることではないのかな。
私はとても妥協的な人間なので…
目の前のことに没頭するのは案外楽しく、その場その場の満足感はあったりして、
ま、これでもいいかな、、なんて思ったりしがち。
でもそれはそれで尊いこと。
一方でそれで本当によかったの?というもう一人の自分も殺さないように…
って難しいな。
監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。
アメリカン・ビューティー公開時は私は大学生で、
何やらいたく感銘を受けて2回映画館に行ったのを覚えています。
(その後DVDで何度か見直してるんだけども、だんだん感動が薄れてきてる…)
今回も、アメリカン・ビューティー同様、中流階級の葛藤を描いた作品になっていますが
本作は結婚してる人や年齢を重ねている人のほうがより深く味わうことができるのでは、と思いました。