あかいふうせん | RUBYBIRD

あかいふうせん

あかいふうせん
は、子供のころのお気に入りの本。






パスカルはひとりっ子。
兄弟はいません。
猫か犬を飼いたいけれど、
おかあさんに飼ってはいけないと言われています。

ある朝、学校へ行く途中パスカルは
街灯にひっかかった赤い風船を見つけました。



風船を持ってはバスに乗れないので、
パスカルは学校の行き帰りを、歩くことにしました。







風船のせいで帰りが遅くなったことに
おかあさんは腹を立てて、風船を窓から飛ばしてしまいます。




けれど不思議なことに、
赤い風船はまどのところに戻ってきてしまうのでした。









次の朝パスカルがバスに乗ると、
赤い風船はバスのうしろからふわふわと飛んできます。
道を歩いている人は、もうびっくりしました。









そんなパスカルと風船を
いたずらっこたちが見つけてしまいます。












こどもたちに見つかってしまった風船は、
高い塀のうえに結ばれてしまいます。



パスカルはひもをほどいてやりましたが、
また、いたずらっこたちは追いかけてきました。

そしてあちこちからやってきたこどもたちに
囲まれてしまったのです。

風船はパスカルのそばを離れません。

そしてとうとう、ひとつの石が当たって
風船はわれてしまいます。











しんでしまった風船をみて、パスカルは泣きました。










すると、不思議なことが起こりました。



空からたくさんの風船が飛んでくるのです。
いろんな色の風船が、パスカルのまわりに集まってきました。

街じゅうが風船でいっぱいになり、
あとからあとからやってくるのです。









風船はパスカルのそばに舞い降りると、
ひもをよせあい、パスカルを空にさそいました。



風船のひもにしっかりと支えられたパスカルは、
だいすきな風船といっしょに
ひろい空をどこまでも飛んでいきます。












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ラモリス/作
岸田衿子/文
いわさきちひろ/絵
偕成社




原作はフランス映画です。