ターキーとマヨのサンドイッチ

American mayonnaise storiesは
コピーライター秋山晶氏が手がけたキューピーマヨネーズの広告を
一冊にまとめた短編集且つ写真集。
高校のとき買っていた雑誌に出稿されていて、
部活ばかりやってたあほの女子高校生にとっては
家と学校との往復の外側に、こんな世界があるんだって
どきどきした広告だった。
ダイナーや列車の窓からの景色、
あからさまにマヨネーズを売り込んでいるわけではないのに、
この本に出てくる「ターキーとマヨのサンドイッチ」は
私の夢の食べ物だ。

series1 ニューヨーカー短編集を食べてみよう

ハンバーガーを焼くのを卒業して、アメリカン・ジゴロになった。

飛切りの恋とサンドイッチが一度に食べられる。
今月はニューヨークシティガイド風に書く。
それだけの価値のある、つまりニューヨークに行ったら、
ぜひ、そのカウンターでブランチなどを食べてみたいダイナーだからだ。
・・・中略・・・
客たちの多くはイタリアンデザインの服を着こなしているか、
さもなければ、タキシードだ。
いつも13種類の輸入ビールがあり、メニューは年に4回変わる。
いまは夏なので、フルーツを使ったトロピカルなものが多い。
マヨネーズは淡いソフトな味で、フルーツサラダに合う。
その味は恋のように、はかない。
series2 ずっと遠くでイーグルスが歌った

過ぎた夏は、サンドイッチの包み紙のようなもの。

カーラジオで聴くターキーの焼き方はせつない。
series3 ルポ:トルーマン・カポーティを読みながら
この本は、すごくカポーティの影響を受けていると感じる。
わたしはカーヴァーのほうが好きだから、
カーヴァーっぽく作るとしたら、どんな雰囲気になるだろうか。

マリリン、きみは美しい子供だよ。
series4 大陸横断列車に乗ったマヨネーズ

高圧線が線路を横切ると街が近い。
シカゴからロサンゼルスまで2397マイル。
タイムテーブル通りに走ると、47時間25分。
大陸を横切る列車はまっすぐ東西に走り、ユタに入って北上し、
ソルトレークシティから一気に太平洋に向かって南下する。
・・・中略・・・
風景はロッキー山脈の東西で大きく変わっている。
山脈で区切られた雨の量だ。
ローストチキンとマヨのサンドイッチが似合う風景は平原だ。
ただしノドが乾くのでソーダが要る。
単調な風景も気がつくと以前と同じではない。
高圧線が列車の上を越し、変電所が見えると、
州間高速道路が並行して走り出す。
そこにピックアップトラックではなくセダンの数がふえはじめると、
もう街が近いのだ。(Las Vegas/Nevada)
広告に興味を持ちはじめた1/10はこの本のせいだ。
旅に出るとなぜか列車に乗らないと気分が出ないのも、多分この本のせいだ。