新たなターゲットを掘り起こす
ごく最近の、リクルートエイブリックさんのバナー広告です。
Yahoo! NEWS内で見かけました。
転職紹介や派遣登録募集、といったヒューマンリソース業界は
広告「量」をかなり投下していると思われる業種です。
雇用形態をはじめとして、雇用/被雇用意識自体も変化を遂げ、業界全体が急成長をしていますから、
まずは広告投下量によって各社、パイの奪い合いといったところでしょうか。
まずは量とインパクトで勝負!といった表現が多いなか、このリクルート・エイブリックのバナーは一味違いました。
○ 一般のニュースページに出稿している
○ 「あなたの「旬」気付いてますか?」という誰しも当てはまるコピー
一般的に、広告のできることは限られています。
というより、広告担当者自身がそこまでやろうと思っていない。
例えば「ファンタ」のような、フルーツ味の炭酸飲料をおばあちゃんに売ろうとするキャンペーンは
なかなか成立しないでしょう。それは、ハードルが高すぎる。
それよりは、メインターゲットである小中学生にもっと好きになってもらうほうが、
ずっと近道だし、即効性がある。せめても高校生の一部に範囲を広げるのが精一杯でしょう。
キャンペーンにかけられる予算は決まっていますから、まずはここをしっかり押さえることこそ先決で、
おばあちゃんをはじめとする新たなターゲットは、後回しになるわけです。
ただ、もともと決まったターゲットに物を言うのはそんなに難しくないのです。
それよりも、新しいターゲットを絞りこみ、しかもその人々をちゃんと振り向かせる表現をするというのは
従来とはまったく別の次元での「生みの苦しみ」があると思う。
その意味で、このエイブリックのバナーは、これまで転職なんて考えたことのなかった人にも十分アピール
しているし、「旬」って表現も面白い!効いている。
転職潜在人口の増加に貢献しているところが、他にはない。
ひとつの枠組みのなかでの表現が効いていることも素晴らしいけれど、
新しい枠組みを提起して、しかも効いているっていうのは、なかなかできないことなのではないでしょうか。
こんなちっちゃなバナーだけど、スペースも目的にかなってるし。
もちろん、新たなターゲットを生み出さないといけないくらい、人材業が飽和状態に近づいている証拠だとも
言えるけどねー。