以前、小さなナレーションの仕事(ほんの2~30秒かそこらのTVコマーシャル)でお世話になった方がいました。
その方は主にゲーム関連の声の出演や舞台演出・出演などで活躍されている30過ぎの声優さん。
これまで多くの声優志望の方のサポートもされていたのですが、
昨夜、ブログタイトル通りのちょっと衝撃のメルマガが届きました。
(えぇ?)
という驚きと、
(やっぱり・・・)
という思いが入り混じる。
私だってわかってますよ。
最近の声優業界は以前にも増して厳しいってこと。
もはや声の仕事だけで食べていけてる人なんて、ほとんどいないでしょうね。
それは、実力うんぬんの話ではなく。
ネット上のオーディションなんかでも、一つの仕事に対してものすごい数の応募者が殺到するし、
需要と供給のバランスが悪く、稼げる仕事でないのは確か。
その現実を知らず、大きな野望を抱いてナレーションスクールや声優養成所に何年も何年も通い続ける人の多いことも…知っています。
実は私も、5、6年ほど前に一年間東京のスクールに通っていた時期があります。
出雲から東京まで、毎週ですよ?!
もう正気の沙汰じゃありませんよね(笑)
でも、それぐらい私にとっては子供の頃からやりたいと思っていた、
ずっと心の奥にくすぶっていた“夢”だったわけです。
ナレータークラスとボイスオーバークラスを受講してました。
※ VoiceOver(ボイス・オーバー)とは、原音の外国音声のボリュームを低くして上から日本語のセリフをかぶせる、ニュース番組や世界仰天ニュースの再現ドラマなどでよくある手法)
証拠としてwこちらが当時の授業の様子。
(私の声のみ。今聞くと下手過ぎてお恥ずかしいのですが)
授業では実際のニュース番組を使い、全員録音ブースに入って順番に声を当てていきます。
その後教室に戻り、自分が録音したものを聞くんです。
で、元アイドルで現役声優のH先生に、ほぼ全員コテンパンにダメ出しを食らうという( ̄▽ ̄;)
日本各地からいろんな方が集まってましたね。
劇団員の若い男の子もいたし、結婚式や葬儀の司会をされている方など。
まぁ、その中でも私はかなり遠方だったので、クラスメイトの人たちにはかなり驚かれてました。
「よほどの決意があるんだね!!」
ハイ。
当時の私は、絶対に何らかの声の仕事をゲットしてやる!と闘志むき出しで毎週通ってました。
さすがに周囲と気迫が違ったと見え、
厳しいH先生にも何度か褒めていただいたことも。
(アクセントが違う!!と出雲訛りをこっぴどく注意されたことも同じくらいありますが(-_-;))
でも結局、スクールを終えて地方在住の私が自分でゲットした仕事は…
15〜20秒そこらの短いローカルTV CMナレーションが精一杯。
それでも、まだ仕事として経験できた私は良い方かもしれません。
努力を続ければ、いつかは仕事をもらえるだろう。
そう信じて、毎年毎年ナレーションのオーディションを受け続ける人も大勢いるんですよね。
私もしばらくは、自宅録音用の簡単な機材を購入したりして、
冒頭の彼の紹介や自分で仕事に応募したりして、年にほんの数回宅録の仕事をしていました。
でも、年に数回の仕事では全く張り合いがありません(>_<)
周囲にサポートしてくれる人も見つからず、
同じ夢を追う、悩みを打ち明けられる友達もおらず、
全く孤立無縁といった感じでした。
なぜかわからないけど、イヤな経験もしました。
今になってみればわかるのですが
これこそが、
「そっちの方向じゃないよ!」
のサイン、なんですよね。
進むべき道が間違っているときは、物事がなぜかスムーズにいかない…。
ですから、声優活動を辞め、今後は仕事を作る側で行くと決意した彼も、
これまでのように声優業界の現実を知りながらモヤモヤした思いで若手をサポートするのではなく、
スッキリした気持ちで、また新たな挑戦をしていって欲しいなと思っています。