小雨がだんだん ひどくなってきて
一匹の子猫というより 中学生ぐらいのネコが
ずっと 自動ドアの前で泣いていた
だれか 食べ物くれないかな にゃ にゃ にゃ
こころの中には葛藤が
この子を ひったくって家にもってかえる
無理
いますぐ店で 何か買って 食べさせる
結局 無責任なことは できないと
帰ってきた
そのコンビニで 二年ぐらい前
茶トラの 死にそうな小猫 本当に
小さくて ぐったりしていて
ひと月ほど保護した
みかん色なのでこみかんちゃん
略して こみちゃん
こみちゃんは 今あんなに やせっぽちっちだったのに
ある街で 幸せに トラちゃんという 名前で
暮らしている
今 複雑な 想いで いっぱい
なんだか なんだか なんだか
しか かけない