息子はサピックス中学部に通いながら、早慶付属高校の一般入試を目指し、自己推薦も受けました。その時の体験を基に、一般入試のほかに自己推薦もチャレンジする上でのデメリットについて書きます。早稲アカ、サピで一般入試を目指しながら自己推薦も考えている方の参考になれば幸いです。
ここで書かれていることはあくまでも我が家の体験談を基にしています。その点はご了承ください。
一般入試直前期に貴重な時間を取られてしまう。
自己推薦入試は一般入試の直前期にあり、息子はこの時期に思っていた以上に、自己推薦の準備に時間を費やしてしまいました。入学志願書の志望理由などの記入項目欄は特に文字数制限はありませんが、何文字が妥当なのかを計算し、要点をまとめ、簡潔でありながら、でもしっかりと自己PRが書けないといけません。息子はパソコンで文字数を計算しながら何度も下書きを繰り返し、学校の先生やサピックス講師に見せてダメ出しをもらい、練った内容を清書しました。また同時に第2次選考(面接)の練習をしなければなりません。これにも時間がかかりました。言わずもがな、12月、1月は一般入試の直前期です。この期間に自己推薦入試の準備に時間を割くのは大きなリスクとなりました。
自己推薦の専門塾に通っていた子が多い。
入学後に分かったことですが、自己推薦で入学した子は自己推薦の専門塾に通っていた子が多かったです。当然ながら、自己推薦はそれ専門塾の方が早稲アカやサピックスよりもノウハウがあり、もちろん実績もあります。自己推薦入試は彼らの主戦場であり、その中で一般入試組が戦うのは不利です。戦い方がまったく異なります。サピックス中学部の講師からも「早慶の自己推薦は合格できたらラッキー程度に考えてください。」と言われていました。
不合格のショックが大きかった。
息子は第一次選考(書類選考)は合格しました。第二次選考(面接)は合格者よりも不合格者の数が少ないので、つい期待が高まります。息子も面接で手応えを感じ、「これは合格したな!」と興奮を抑えきれずに合格発表を待ちました。これで合格したら、息子の受験は終了となります。私たち夫婦も今日は祝杯だなと思ってWEBで結果が表示されるのを待ちました。そして時間になりアクセスすると、結果はまさかの「不合格」。息子は何がまずかったのか理解できず、しばらく混乱していました。(そのショックは大好きな女の子に理由もわからずにフラれた時に似ているかもしれません。)それから1週間程度で本格的な一般入試が始まります。気持ちを立て直すのにとても苦労しました。
そもそも高校が求めている層が違う
そもそも高校が求めている層が一般入試と自己推薦では異なります。高校側から考えると、早稲アカやサピックス中学部でゴリゴリ勉強しているような子に自己推薦の枠を与えたいかと言えば、それはないんじゃないかと今では思います。もし自分が教員であれば、自己推薦はゴリ勉している子より、スポーツや文化活動などに打ち込み、何かユニークで可能性を秘めている子を入れたいと思います。冷静に考えれば、ゴリ勉の息子がそういった子たちに自己推薦で勝てるはずがありませんでした。
我が家の結論
息子はチャンスは一度よりも二度あった方がいいという安易な考えで自己推薦もチャレンジしましたが、結果は「不合格」。一般入試で合格できたので救われましたが、当時を振り返ると「二兎を追う者は一兎をも得ず」という事態になりかねなかねませんでした。自己推薦枠は中学時代、ゴリ勉ではなく何かに打ち込んできた子たちに用意された優先席です。息子が「あわよくば」という気持ちだけで受けたのは、自己推薦入試の意図から外れ過ぎてていたと今となっては思えます。